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第70話『呪いの勇者と一筋の希望』


 「何だか、この辺は死者が多いな。もしかしたら、レミアの姉さんがいるんじゃないか?」


 「うん、あり得そう。死者は死者に集まる習性があるからね。カケルの読みは正しいかも」


 死者の密集地に辿り着いた俺達は、この辺を中心にレミアの姉さんの捜索を始めていた。散々、変態だとバカにされてきたからな。多少なりとも成果を上げて、マリエル達を見返してやりたいところだ。


 ゆっくりと歩き進めると、街灯の下でしゃがみ込み、泣いている一人の女性がいた。レミアによく似た金色に輝く美しい髪、恐らくはレミアの姉さんだろう。


 違ったとしても放っておく訳にはいかないので、皆んなで彼女の元に駆け寄り声を掛けた。その彼女が顔を上げると、涙で目が充血していたが間違いない。レミアによく似た、いや、やっぱり姉妹だよな。少しお姉さんになったレミアそのものだったよ。


 「お、お姉ちゃん……」


 「レミア……。なの!? 嘘よ……。ごめんなさい! 護ってあげられなくて! どうしても助けたかった! 私の命で済むんならって何度思ったか……。無力だった姉さんを許して……」


 感動の再会にしてやりたかったさ。こんな再会じゃ、誰も喜ばねぇ。姉さんは泣きながらレミアに抱きつき、ただ許しをこいていて俺達の心をキツく締め付ける。


 どんなに惨めだろうが、痛い思いをしようが、レミアの為に何の力も無い姉さんは、魔王に最後まで立ち向かったんだ。こんな最後があってたまるかよ!


 俺やエリクシアだって各々、言いたいことはあるだろうがここは、俺が代表して姉さんに思いの丈をぶつけたい。それくらいいいだろ? 彼女は、妹を救う為に戦った英雄なんだから。


 「あなた方は、レミアのお連れさん? すみません、わざわざ皆様で探して下さって。ここまで大変でしたよね。妹すら護ることが出来なかった、無様に負けた姉の為に本当にありがとうございます」


 「ーー負けてなんかねぇだろ」


 「だったら、どうしてレミアは死んでいるのよ! 八つ当たりなのも分かってる! 私が不甲斐ない無力な存在だから! 私が殺したのも同然だわ!」


 「お前は!! 負けて冥界なんかに来た訳じゃないだろ!! 死を恐れず、魔王に立ち向かった英雄だ! そのお前が、自分を誇れなくてどうするってんだよ! まだ、負けてねぇ! 俺が必ず連れ戻してやるから生きる事を諦めんなぁ!!」


 こんなに凄い姉さんなんだぜ? このままじゃ、誰も救われねぇ。俺達だって負けてらんねぇよな。


 レミアとの約束である姉との再会は果たした。だけど、それだけじゃ俺は納得出来やしないからよ。やりたい様にやらせて貰うさ。


 ーー大切なもんは、絶対に護り通す。


 根拠なんてもんは、微塵もねぇよ。だけど、俺は連れ戻せると思ってるんだ。姉さんの様子は、レミアと全く同じ。まるで生者そのものだったんだから。


 透けてもいないし、レミア同様、死人であることが俺達には分からなかった事、それだけの共通点だが賭ける価値なんてのはそれだけで充分だった。


 「行くぞ、もう一度。あの魔導列車にな」


 震える手をしっかりと皆んなで握り締め、姉さんを取り戻す為の賭けを魔導列車相手にして行こう。それしか、方法が無いしな。


 ーーこのまま、死んだままになんかしておけねぇ。


 願いを込めて、俺達はまたあの恐ろしい魔導列車の元まで向かうことにした。


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