表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

7/128

第7話『呪いの勇者は、シスターの親友を助けたい』


 「ーーで、なぜ俺を訪ねてきたのですか?」


 先程、目が覚めてマリエル達が応接間に例のシスターを通していた。生きているってことは、きっとエリクシアが必死になってキスをしていてくれたんだろう。シスターさんが引いてなければいいのだけど。


 そして今、俺を殺しかけたシスターさんに何の目的でやって来たのかについて、尋問をしている真っ最中なのである。


 「どうしてもカケル様に会いたかったのです」

 「なるほど、それはどうしてです?」

 「是非、私をパーティに入れさせて欲しいのです!」

 「うん! いやです!」

 「まぁ、そんなに冷たくあしらわれるなんて私、興奮してしまいます」


 ドMなんですね。勘弁して下さい。変な奴ばかりやって来て気が狂いそうだ。俺はそこまでSじゃないんだよ!


 本当にこのシスターさんは訳が分からない。何か意図でもあるんだろうか。不思議に思いながらも、会話を進めることにした。


 「私は、アリアドネと申します。先日のイフリート討伐の件、大変お見事でした」


 「いやいや、マリエルがいなきゃ俺たちは死んでいたんだ。大したことじゃない」


 「そうだったのですね。だとしても、この功績は素晴らしいものです。そんなカケル様達にお願いがあるんです!」


 「ーーお願い、ですか?」


 厄介事に巻き込まれそうだ。俺は、エリクシアとマリエルに断るように説得しろとジェスチャーを入れるも、何やら分からない様子でして、落胆してしまった。


 「私は先日、聖堂教会のメンバーとパーティを組み、アンデットの巣へ調査に向かっていたのです」


 「確かにシスターは、アンデットに対して滅法強いですからね。調査に何か問題が?」


 「はい。アンデット達に強襲されパーティは崩壊。私だけが逃げ切きることが出来たのですが、聖堂教会は仲間を見殺しにした裏切り者として私を追放したのです」

 

 「ーーなんだって!?」


 断ろうと思ってたんです。厄介事だというのは、分かり切っていたんだから。だとしても放っておけない。俺は勝手すぎる聖堂教会に腹を立ててしまっていた。


 危険が伴うダンジョン探索に、安全なんてものは無い。対策をしなかった教会が悪いんだからな。助かったアリアドネが悪者になるのが納得いかない。


 「その中に私の親友、ライラもいるんです! 彼女を助けられなかったら、私は自決する覚悟もあります。どうか親友を助ける為にカケル様の力を貸して下さい。代償に私の『純潔』をカケル様に捧げます」


 「はい! 喜んでー!!」


 マリエルには殴られて、エリクシアには至る所を噛まれてしまいました。決して身体が目当てでは無い。言葉にした所で、信じてはくれないだろうけど。


 追放されても親友を助ける為に、身体を張って助けを求めるアリアドネは本当に格好いいと思う。


 同じ立場で、エリクシアやマリエルが命の危機に瀕していたら、自分の力ではどうしようも無い時、俺は誰にだって土下座でもして助けを乞うだろう。みっともなくても、俺は絶対にそうする。


 「分かったよアリアドネ。親友を助けに行こう」

 「カケル様、本当にありがとうございます」

 「私も異論無し。カケル、絶対に助けようね」

 「私も行きますカケルさん! 懲らしめてやりましょう!」

 「満場一致だな。よし、出発だ!」


 我々もアリアドネを仮としてパーティに参加して貰い、アンデットの巣へ行方不明者の捜索に出る事にした。誰も死んでいない事を祈るばかりです。


 不安な表情を見せるアリアドネに、エリクシアとマリエルが励ますように、優しく寄り添ってくれていた。


お読みいただき、ありがとうございました!


少しでも面白い! 続きが読みたい! と思っていただけたら、

『ブックマーク』と広告下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にしていただけると幸いです!


評価ボタンは、モチベーションに繋がりますので、何卒応援よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

↑の☆☆☆☆☆を押して頂けると執筆の励みになります!!!

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ