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第53話『呪いの勇者は、アリアの覚悟を受け取った』


 「おいマリエル! 奴らこっちに来てるぞ、どうにかしろ!」


 「何、今更ダサい事を言ってるんですか! カケルさんの役目でしょ? 自分でして下さいよー!」


 結構遠い距離だったに、ちょっと目を離しただけで聖堂教会幹部は、拝堂まで急接近していた。まぁ、無理ですよね。あれは、完全に殺しに来た顔をしている。


 こうなりゃヤケクソだ。こっちから迎え撃ってやる。アテネ様やエリクシアに拝堂から出て戦闘態勢をとるよう、指示をして、歩み寄ってくる教会幹部を待ち受けることにした。


 戦闘になる事を見越して警戒しながら、諸刃の剣を地面に突き刺し、仁王立ちをして構える。危機的状況だったこともあり、エリクシア、マリエルは攻撃態勢、そして、アリアドネやブレッドにアテネ様を後ろに下げて防御態勢を咄嗟に始めていると教会幹部が俺の元に追いつき、相対することとなった。


 「貴方達でしたか。私達の同胞を葬ったのは……。呪いの勇者め、なんと悍ましい! 聖堂教会幹部、名をグレイアス。『剣聖』の名に賭けて、貴様の邪念を消し去ってくれるわ!」


 剣聖だってさ。なんだよそれ、知らねぇーよ。同胞を葬ったって別に、天の使いは殺した訳じゃないし、そんな言われようはあんまりだ。


 もしかしてと、考えることで直ぐにベズルの事を思い出していた。確かにあれは葬ったけど、俺には俺の信念がある。リッチーを、あのニーナの大切に思っている村を、救う為、護る為に戦ったのであって、決して後悔なんかしちゃいない。


 リッチーを騙し討ちし、やるだけやっといて、今更の報復なんてムシが良すぎるって話しだよな。剣聖とやらには悪いけど、この神域を破壊するってんなら、その足りない脳みそに諸刃の剣をぶち込んでやるよ。


 「もしかして、ベズルくんのこと〜? 悪いけど、そんなの恨みっこ無しだぜ。そもそも、聖堂教会の悪巧みが招いた結果だ。剣聖様とやらは、よく分からんが大人しく引いてはくれないだろうか。引かねぇってんなら、俺達は女神を護る盾となる。どんな鉱石よりも硬いから、名刀持って出直して来い!」


 「威勢だけは、よいのですね。悪巧み? 違います! 我々のしている行動こそ、神のお導きなのです。我々の神を奉る為には、この神域は必須……。引かぬと言うのなら、全員皆殺しにしてやりましょう!」


 剣聖グレイアスは、剣を天に掲げて絶叫を始めた。叫びの方でも充分に驚いたけど、それ以上にグレイアスは、剣から光のエネルギーを集めている。


 聖魔法の類だったら、俺の命に関わる。攻撃を受ける訳にはいかないので、前衛のエリクシア、マリエル、そして、俺は緊急回避の指示をした。


 元々、聖堂教会側はこの城が滅びようがどうだっていいんだ。上級聖魔法の連発だって、奴らにとっては全く気にならないどころか万々歳何だろうよ。


 「マリエル! 詠唱開始!」


 「はい! スロー・ギアクル!」


 エリクシアとマリエルを担ぎ、グレイアスの射程圏外まで回避するが離れている筈なのにあの聖なる輝きは、離れていけばいく程、巨大化している。


 その、溜め込んだ聖球を俺に狙いを定めて投げ飛ばして来た。交わすことは、容易いことなんだけどマリエルのマナが切れてしまえば逃げようが無くなる。


 「邪悪を討ち滅ぼし聖球よ、その波動の力で焼却せよ! セイクリッド・イクリプス!!」


 隙を見て攻撃に転じたいところだけど、そうも言っていられなくなってしまった。俺に狙いを定めていた聖球は、対象を後衛のアリアドネに矛先が変わる。


 助けに行きたいけど、急な方向転換には流石に対応出来なくて、危険を知らせる為に叫ぶことしか出来なかった。


 「逃げろアリアー!」


 「すみませんカケル様。私はもう、助けられるだけの弱い私じゃありません! 必ず女神様を護ります!」


 アリアドネが盾になり、身体を張って女神様を護ろうとしていた。いくら、アリアドネと言えど、あの威力の聖魔法なんか受けたらただじゃ済まない。


 仲間を失う恐怖からか、急いでアリアドネの方へ向かい、聖球をどうにかしようと駆け出したが間に合わなかった。


 ーーバンッ!!


 聖球が直撃してしまい、間に合わなかったと俺は。膝を地面に落とす。絶対な絶望感に頭が真っ白になりそうだったけど、よく見たら何事も無く、アリアドネは両手を広げて女神様を護り切っていた。


(焦ったー! 絶対死んだと思ったよ……)


 「まさか、無能だったアリアドネなんですか!? 私の聖魔法を受けきれるなどありえません! ベズルを葬ったのも真実だったようですね。この、聖堂教会の恥知らずが!」


 「なんとでも言ってくれて結構です! 私は、カケル様のパーティに所属する、ただのシスターですからね。私達のモットーは、誰も見捨てず、助けたい者を助けること。剣聖が聞いて呆れますね。あんな魔法じゃ、私には通用しませんよ?」


 いつからあんなに、アリアドネはカッコよくなったんだよ。


 知らないところで急成長しすぎていて、俺自身困惑してしまった。神器コキュートスが、アリアドネの被弾に対して護ってくれていたんだろう。神器に認められるって凄いことなんだなと、実感する瞬間でもあった。


 あまりの予想外っぷりにグレイアスは、焦り顔を引きつらせていた。ざまぁ無いよな。かつて、教会で無能だと追放し、暗殺までしようとした奴に、あんな攻撃を防がれたんだから。


 このチャンスは逃せないと、神速をも超える速度でグレイアスに詰め寄り、諸刃の剣の一撃を俺は振りかざす。これで最後だろう。


 ーーブン!!


 確実に仕留めた筈なのに、俺の諸刃の剣は何かに阻まれてグレイアスの身体を通り過ぎることはなかった。初めてだったこともあり、俺は緊急回避をして諸刃の剣の代償を癒す為に、エリクシアと熱いキスをした。


 「……んっ// 」


 「戦で接吻をする者など初めて見ましたよ。流石は、勇者を名乗る魔物だ。品性が無い!」


 「勇者になった覚えても無けりゃ、魔物になった覚えも無いんだがな。そんなことよりテメェ、アリアに手ェ出したな? 俺は、誰でも助けるメシア様じゃねぇからよ。仲間を傷つける奴は、絶対に許さないって決めてるんだ。殺される覚悟は、出来てんだろうなぁー!」


 許す訳には、いかねぇよ。かつての師を自分で葬ったことに、どれだけの思いや覚悟が必要だったか。これは、当人ら同士で既に決着が着いたことであって、他人がとやかく言う必要の無いことだ。


 いつまでも、アリアドネを無能だと罵りやがって聖堂教会は、本当に陰湿でクソ野郎共の集まりだな。剣聖が、聞いて呆れるぜ。


 奴は、必ずぶっ飛ばす。神域をこれ以上壊されるのも放っておけないが、問題なのは俺の諸刃の剣を防いだあの盾だ。呪いの力って強いけど不便だよな。聖魔法で作った盾ともなると、相性が悪すぎて届きやしない。

 

 ーー臨界って奴が必要なんだろうか?

 

 先ずは、聖魔法の盾の攻略が、今の俺の最優先だ。


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