第48話『呪いの勇者は、天界でハメを外す』
「随分寂れた神域なんだな。神殿が壊れかけてやがる」
「カケルさんの頭も壊れかけなんで、似た者同士ですね!」
「壊れてんのは、マリエルの発育レベルだろ! なんか言わないと気が済まないのか!」
盾の女神アテネの転移魔法陣により、俺達は、天界の神域に辿り着くことが出来た。神域は、各神様の領域みたいなもので、神が違えばいろいろな景色や造りも全く変わってくるらしい。
アテネの神殿は、とても美しかった建物や風景だったのだろうけど、死期が近いだけあって、今にでも崩壊してしまいそうな程、劣化が進んでいる。
ブレッドに辺りの探索を頼み、俺達一行は、アテネから神殿内部の広間に通され、暫くゆっくりした後で今後の作戦を練ることした。
いきなり聖堂教会に攻め入られたら、対処なんて出来ずにこの神域は陥落するだろうからな。神域が落とされることは、女神様が死ぬとイコール付けられるし、そんなことを許せる訳がない。
念密に作戦を練って対処したいけど、こいつら本当に事の重大性を理解してんだろうか。マリエルはエリィと一緒に騒ぎ出すし、エリクシアは女神様とお茶会を始めていた。
なんか、真面目に考える方が馬鹿なのかもしれないな。どうにでもなりそうな気がしてきたので、俺もハメを外してアリアドネとアテネのお茶会に参加する事にしました。
「カケル様は、少しエッチで、変態のドスケベ何ですけど、物凄く格好いい一面もあるのですよ。私と一生を添い遂げて欲しいぐらいなんです〜」
「なるほど、勉強になりますアリアドネ様。えーっと、カケル様は少しエッチの変態でドスケベっと……」
ハメを外そうと、お茶会に参加しようと思ったのが馬鹿でした。とんでもない風評被害に遭っています。いつもこうなんだよな。敵からは体で遊ばれるし、マリエルからはパンツ泥棒にされてしまうし、最悪だ。
妄言を語るアリアドネに焦りながら割って入り、訳の分からん誤解を解く事に俺は精一杯になっていた。すげぇ真剣に聞いてるんだもん。俺の威厳が危うくなってしまう。
「おいぃー! 女神様に何を吹き込んでんだー! アリアは俺を陥れたいのか!?」
「そんなことありません。私は、カケル様の良い所を女神様に知って欲しかったんです!」
「ほとんどが悪口じゃねぇか! 少しエッチで変態のドスケベってどういうことなんだ! 何が少しエッチだ、後半の発言のせいで矛盾が起きてるだろ。ただのエロ魔人じゃねぇか!」
「ーー違うのですか!?」
「アテネさん!? 違うに決まってるでしょ! 本気にしないでください!」
何とか誤解は解けたらしい。アリアドネを放って置かなくて本当によかった。もう依頼どころじゃなくなるし、俺の大切な何かが抜け落ちてしまいそうだからな。
お茶会もようやく終わり、俺はアテネにどうしても聞かなくてはならないことがあった。その事をハッキリとさせないと、今後、俺達が不利になるし、作戦も立てられない。
「アテネ様、聖堂教会はこの聖域にどうやって入ってくるんですか? 一応ここは天界ですし、いくら聖堂教会って言ったって侵入は難しいんじゃないんですか?」
「確かに侵入は容易ではありません。ですが、教会側は、それが出来てしまうのです。『天の使い』と呼ばれる集団を飼い慣らしていますからね」
「ーー天の使い……。ですか?」
天の使いとは、聖堂教会が飼い慣らしている天界と下界を行き来する唯一の聖堂師らしい。神ではないが、神に最も近い種族とのことだ。
無害な種族なんだけど、そこに聖堂教会側が眼を付けて、宗教をより強固なものにする為、最近では使役している。神の教えを直接聞いて、その宗派を広めるって前提なんだけどそんなのは嘘っぱちだ。
弱っている聖域を撃ち落とし、我が物顔で神になり踏ん反り返りたいって悪巧みを聖堂教会は企んでいるんだから。
アテネから侵入方法を聞いたおかげで、これからの事がようやく決めれそうだ。アクアと約束したからな。必ず帰るから信じて待ってろってね。
誰も死なせないし、アテネの恋は絶対に叶えてみせる。
またやってやろうじゃねぇか、聖堂教会さんよ。今度は潰すつもりでやるから覚悟しておけよ。
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