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第3話『呪いの勇者はちんちくりんを仮メンバーにする』


 「どーしてですかー! 嫌って言わないで下さいよー!」


 「いやぁ〜、俺達なんかじゃ最強の方が来られても肩身が狭いと言いますかー」


 「そんなことありません! 是非、私をパーティに入れて下さい」


 「うるせー! どうせ他所で断られた口だろ!?」

 

 「何で分かるんですかー! いいじゃないですか減るもんじゃないんですし」


 「俺達の寿命が減るわ!」


 押し問答を繰り返して、俺とマリエルは相当疲れてしまった。エリクシアが横目で知らん顔しているのが感に触るけど、グッと堪えて俺はマリエルと向き合おうとした。


 そんな顔しないでくれ。またダメだったと落ち込んでいる顔を見ると、勇者パーティに追放された時の事を思い出してしまう。マリエルなりに頑張ってきたのだ。無駄にしてはいけないと俺の心が訴えているのが伝わった。


 「よし! そこまで言うなら実力を見せて貰おう! あそこに座る爺さんの俊敏さを上げてみろ!」


 「そんなことですか? 容易いですね。では見せつけてやりましょう!」


 マリエルは詠唱を始めると、短い呪文で爺さんにバフをかけた。バフをかけた、はずなんです。


 「動いてなくないか?」


 「あ、あれ? おかしいですね。確かにバフをかけた筈なんですが……」


 「カケル! よく見て、ほんのちょっとだけ動いてるの!」


 よく見ると確かに動いてはいた。エクレシアが教えてくれなければ分からない程に。


 ちょっとずつ、湯呑みを持っていてお茶でも飲もうとしてるのか? あのスピードだと、恐らくお茶を口に含むのに三日はかかるだろう。


 「日が暮れるわー! 爺さんが可哀想だろ早く解除しろ!」


 「はっはいー!」


 恐らく、魔法の能力は確かなんだろう。失敗はしたものの、マリエルがやった魔法は明らかに完成されたデバフだ。本当はバフ役が欲しかったけれど実際にダンジョンに潜って彼女の潜在能力を見たくなってしまった。


 「全く、マリエルは恐ろしいな」


 「そうでしょう! 私の魔法は人を震え上がらせるのですよ」


 「確かにそうだな震えたよ色んな意味でな! なぁ、よかったらこれからダンジョンに潜ろうと思うんだが、仮メンバーとして一緒に来ないか?」


 「お供してよろしいのですか!?」


 「仮だぞ。結果次第でメンバーに入れる」


 「ありがとうございます。必ずや、お役に立って見せましょう!」


 エクレシアも少しは嬉しいのかも知れない。ずっと地元で迫害を受けていて、同年代の女の子と話す機会が無かっただろうから。


 友達にでもなってくれれば良いけど。


 これからダンジョン攻略に向けて、三人で下準備をすることにした。


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