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第22話『呪いの勇者は、聖堂教会の裏の顔を知る』


 「聖堂教会がリッチーの村に行った情報はあるか?」


 今日はアクアと密会する為に、屋敷の応接間で話し合う事にした。内通者のアクアならば、少しでも妙な行動があれば異変に気づくだろうからな。


 少しでも情報が欲しいし、早くこの件を終わらせてニーナの冤罪も晴らしてやりたい。やっても無い罪で、知人が苦しむのは耐えられん。


 情報が無いかアクアに問いただすと、呆れ顔でじっと見つめている。分かってるよ、お節介な事ぐらい。


 「また、変な事件に首突っ込んでるんですか? 聖堂教会に目をつけられる前に辞めたほうがいいですよ?」


 「僕、臨界者何ですよね!? 既に目は付けられてるんじゃないのか?」


 「それはまだ大丈夫ですよ。確かに臨界者ではあるけれど、呪いのせいで解放出来てないのは、教会は分かっている筈です。今のところは、眼中にないでしょうね」


 また呪いのせいかよと言いたいが、目をつけられてないならラッキーかも知れない。容易く行動出来るだろう。


 「聖堂教会は、確かアンデットの巣窟の調査で次いでにリッチーの村にも行っていたようですけど、行く理由が無いんですよね。停戦協定を結んでいますから、不用意に近づけない筈です」


 「それ本当に? そのおっぱいに誓って!?」


 「カケルさん、いやらしい目で見ないで下さい!」


 やはり、村に来ていたのは聖堂教会の連中だったらしい。村に行く理由が無い筈の奴らが、何故現れたのか。これなら更に絞り込めそうだ。


 昨日、リッチーの村に行った時の情報をアクアに話してやると、驚いた様子をしていたと思えば、顎に手を置いてなるほどなと何か分かった風な動きをしていた。


 合点がいったのかも知れない。その考えを、アクアが語り始めていた。


 「リッチーが邪魔になったのかも知れませんね。」


 「邪魔? どうしてだよ。仲良くやってたんじゃないのか?」


 「表向きはですよ。聖堂教会内では、アンデットやリッチーなんかは絶対に殺したい対象なんですよ。それは、今も変わりません。自分達が手を出す訳にはいかないから、死体を置いて仲間同士で殺し合いをさせるのが目的だと思います」


 「なるほどな。その線が濃厚だろうよ」


 その話しを聞いて、居てもだっても居られなくなったんだ。


 クソッタレが良く思いつきそうな陰湿な真似しやがって、自分達は手を汚さずに殺したいってんだろ。そんな事、誰がさせるかよ。部屋から出ようとする俺を、アクアが静止してきた。


 何となく言いたいことは分かるけど、俺の怒りは収まらないんだよ。こればっかりは、どうしても許せない。


 「どこ行く気ですか?」


 「ちょっくら散歩だよ」


 「嘘ですね。この件からは、手を引いて下さい。事を構えれば聖堂教会と戦争になりますよ?」


 「分かってるだろ? アクアなら俺がどんな奴くらいさ」


 「分かってますけど、行くには危険過ぎます」


 「聖堂教会なんか知ったこっちゃねぇ。護ってやらなきゃニーナが死ぬだけだ。絶対にそんなことさせちゃいけねぇだろ。冤罪で死ぬなんてあっちゃいけないんだから」


 俺の身を案じて言ってくれたんだろう。凄く嬉しいけどもう引けないさ。護りたいもんは死んでも護るって、この世界に来て誓ったんだから。


 「ーー馬鹿な人……」


 部屋を出る時に微かに聞こえた声は、言葉とは裏腹にとてもか細く弱々しくあった。


 ごめんなアクア。俺は、こんなことしか出来ねぇんだよ。


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