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第108話『呪いの勇者とゴブリンの刺客』


 「偵察結果はどうなんだブレッドよ」


 「あの社じゃろうか。数人のエルフが交代しかながら、周囲を見張っておるようじゃったぞ主人様」


 やはり黒だろうな。


 村長に出て行けと言われて、従順に従うフリをしていたけど、まさか俺達に見張られているとは思うまい。


 だけど、不思議なことが沢山ある。なぜ、エルフが種族を護る為に封印をしていた宝剣を見張る必要があるのだろう。


 さっさと封印しておけば、勝手に消失してくれる訳だし、行動そのものがおかしいんだ。


 それでいて、他のエルフの住民ときたら、外へは人っ子一人歩いていない。奇怪な現象を目の当たりにした俺は、この異様とも呼べる状況に困惑していた。


 「カケル様、もしやあの者達は、エルフでない魔獣ではないでしょうか」


 「あぁ、俺もそう思う。エルフがいちいち、宝剣を保護するかってんだ。封印して消しちまえばいいんだからよ」


 だとするならば、答えは一つ。


 ーーあの社にいるのは、ゴブリンの雑魚兵だ。


 そこまでハッキリと見た訳ではなかったから、確かな事は言えないけれど、村長はフードを被っていて、顔がよく見えなかったんだ。


 そう考えると、村長はゴブリン達のグル、あるいは村長そのものがゴブリンの偽装だというのも考えられる。


 ここまで、用意周到なゴブリンは初めて見たよ。だとするなら、辻褄が合うんだよ。その宝剣を使って、同胞の魔獣トロールの復活を企んでいるんだろうな。


 だとするなら、話しは早い。あの社にエリクシアがいる可能性だって充分にあり得るんだ。正面から突撃して、ゴブリン退治と行きますかね。


 「行くぜ、みんな。小鬼退治と行こうじゃねぇーか。エリィが発見出来たら直ぐ回収してくれ。人質ぐらいには、されているかもしれないからな。取り返すぜ、俺達の仲間をよ!」


 「異議無しですわ」


 「やってやりましょう!」


 「主人様、ゴブリンはおやつに入りますか!」


 一人可笑しな事を言い出す奴がいるが放っておこう。


 魔獣って食えるの? 初めて知ったんだけど。


 待ってろよ、偽村長。もしエリクシアに何かあってみろ。お前らゴブリンという種族を根絶やしにしてやるからな。


♦︎♦︎♦︎♦︎


 「生贄はまだ届かないのか! 今夜中に復活出来なければ、ギルドの方から捜索の手が周りだすぞ!」


 「それが、手違いが起きまして……」


 ーードンッ!!


 どっから入っていいのか分からんから、ブレッドの業火で屋根に穴を空けて侵入することにした。雑だけどシンプルだよな。これなら手っ取り早く、敵さんにお出まし出来る。


 突然の俺達と黒竜の侵入に、奴らは度肝を抜かしただろう。


 侵入っつーか、これじゃ襲撃だ。この異常事態にまたもやフードを被った村長らしき人物が俺達を怒鳴りつけて来やがった。


 「貴様らぁー! 帰れと言っただろうが! 神聖な儀式の最中なのだぞ。場合によっちゃ貴様らを処刑するぞ!」


 「ーーもういいよ、猿芝居に付き合ってる暇はないんだ」


 「なんじゃと! もう良い、生かして置く訳にもいかん。皆の者、殺してしまえ!」


 「無駄だと思うけどな。俺達に勝てんの、小鬼さん?」


 図星って感じだな。どうしてバレたみたいなツラして、俺を見てくるのがその証拠だ。喧嘩を売る相手間違えてんじゃねぇーのか? お前らに俺達が殺せる訳ないだろう。


 ブレッドの咆哮により、その場のゴブリン共は地に伏して身動き一つ取れなくした。村長だけは、動けるようにしておいたんだ。色々ゲロって貰わないと困るんだよ。


 睨みを効かせて偽村長もとい、ゴブリンの胸ぐらを掴み、俺は質問をすることにした。


 「エリクシアを何処にやった?」


 「貴様は、呪いの勇者か!? 知らないねぇ、そんな小娘。魔獣にでも喰われたんじゃないか?」


 「小娘だと言った覚えは無いんだがな。本当にお前らは嘘が下手だよな。居場所を吐け、ゴブリン共が誘拐したのはもう割れてんだ。吐かないなら、ブッ殺す!」


 「やーなこった! あの小娘は生贄なんだ。そう簡単に引き渡せるか!」


 「……そうか。マリエル、詠唱開始」


 【スロー・ギアクル】


 ーーブンッ!!


 偽村長を投げ飛ばし、諸刃の剣で一閃した。情報を吐かないのなら仕方がない。さっさと殺して次に行くしかないからな。


 ーーガキンッ!!


 斬りつけた筈の斬撃は、何かと衝突して弾かれてしまったんだ。諸刃の剣を受け止めれるもんなんか、そう簡単にある筈もねぇ。


 何かに弾かれた後、その刀身は俺達の前に姿を現した。


 「危ないところだった。これが欲しくて来たのだろう? 呪いの勇者よ」


 「ーーそれが、エルフの宝剣か」


 青い短剣のような、その刀身の癖して頑丈過ぎるだろ。エルフが生んだ最強の武器ってやつなんだろうよ。


 だけど、今の一撃で手応えは充分にあったんだ。あの程度なら、俺の諸刃の剣で複数殴りつければ破壊は容易いだろう。


 回復が間に合うかが勝負の別れ道だ。


 あの宝剣は、俺が必ず破壊する。


 ブレッドやアリアドネ、そしてマリエルだっているんだぜ?


 出来ねぇーなんて、言えねぇーよなぁ!


 「目的のもんぶら下げて、よく悠長にしてられんなぁ偽村長。悪りぃーがその宝剣、俺達が破壊する! その後で、エリクシアはきっちりと返して貰うぞ」

 

 生贄がどうと言っていたし、生きてはいるんだ。まずは、そこを俺は喜ぼう。もう誰一人として失わない為に。


 ーーエリクシアと共に行こうと誓ったこの場所で、カッコ悪い真似出来ないんだよ。見せるなら、やっぱりカッコいいところじゃなきゃ、愛想尽かされちまうよ。


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