今日の私は、多分
目をキラキラさせて駆け寄ってくる姿は子犬のような愛らしさだ。
いつもはポニーテールで、ルシャが走る度に跳ねるみたいにふわふわと揺れる若草色の髪は、もうベリーショートの短いものになっているが、それも似合っている。
装いはクールなのに、いつも通りのルシャで安心した。しかもこの目の輝きようは心から褒めてくれているに違いないから、ルシャとしては気に入ってくれたんだろう。良かった。
「レオニーのドレス姿、めっっっっっちゃキレイ!!!!! うわーレオニー銀も似合うねぇ!」
「ルシャのスーツに合わせたんだ。気に入ってくれたなら良かった」
悩んだあげく結局はルシャのスーツに合わせて、光沢のあるシルバーのグラデーションにしたから、大人っぽくなりすぎないようにデザインはプリンセスラインにしてみた。
結構華やかだけど、無駄に背が高い私が着ても派手になり過ぎない、威圧感少なめのドレスに仕上がったんじゃないかと思っている。
髪にはルシャが造ってくれた若草色の花があしらわれた髪留め、ドレスや扇を彩る花やレースには白とルシャの瞳の色であるピンクをあしらっている。これがいい具合に愛らしくて、私の男っぽさを緩和してくれている気がする。さすがルシャの色。
少しでもルシャと一緒に立ったときに似合うように。そう思って出来る限り頑張ったから、そう見えているといいんだけど。
「あっ、僕が造った髪飾り使ってくれたんだね」
「当たり前だろう。素敵な髪飾りを造ってくれてありがとう。この髪飾りのお陰で、私も少しは女性らしく見えているんじゃないかと思うんだ」
「すっごく似合ってる! 可愛いよ〜!」
ニコニコのルシャの方が遥かに可愛らしいけどルシャが本気で言ってくれているのが分かるから、その言葉を素直に受け取ろうと思った。
うん、今日の私は、多分過去イチ可愛い。
「ルシャも……そのスーツ、とても似合っているよ。私の髪色でチーフもピンも造ってくれたんだな、嬉しいよ」
「うん、レオニーの色綺麗だよね。すごく気に入ったから、これからもこの色のもの、身につけてもいい?」
「もちろんだよ。私の髪くらい、いつでも提供する」
「そんな酷いことしないよ」
大真面目で言ったのに、ルシャに笑われてしまった。なんでも、色のサンプルは抽出してあるから、色のために再度髪を提供する必要はないらしい。
むしろルシャに気軽に髪を提供しちゃダメだと改めて叱られてしまった。先日も同じ事を言われたばかりなのに、ルシャに対してはどうしてもガードが緩くなってしまうらしい。
ちょっと反省した。