一 楓 その五
四日市の家に向かう途中スーパーに寄った。
晩ご飯の材料だ。
「何にする?」
「なんでもいい。得意料理?」
「なっなにお!コレでも一応・・・」
「ゴメン、そうだったね。失言失言」
そうコレでも調理免許を持っているのだから、料理は美味しいはず。
材料を選び、ふと家に行くしとか色々思って立ち止まった場所が、コン○ー○が売っている場所だった。その後ろを通りかかった楓は、見てないで買えばいいのにと、カゴに入れた。『女性は決めていることには強いな』と思い知った。
誰もいない家に着き、すぐさま料理に入った。
「手伝うよ」と伝えると
「運転疲れてるんだから少し休んでで、それに台所は私のテリトリーだからね。」
僕は慣れない地域のテレビ番組を見ていた。
料理が出来上がり、テーブルに並んだのはハンバーグだった。
一口食べた後
「どう?」と聞かれた
「美味しい、食レポとしてはアウトだけど、
良い奥さんになれるよ絶対」
「だれの?」
「もちろん、俺だったらいいな」
「ふふふ」
と微笑していた。
料理の片付けを手伝いをし、食器を片付けるだけになった時に「後はいいから向こうに言ってて」と言われまたテーブルでテレビを見ていた。
今と違って携帯を持っているわけではないので、手持ち無沙汰だった。
片付けが終わり僕の横に座り一緒にテレビを見てた楓。
肩に頭をちょこんと乗せてきた楓は、何も言わずそのまま体重を乗せてきた。
僕は左腕を肩に乗せた。嫌がるそぶりはなく
「ふふ」と何か聞こえた気がした。ただの幻聴、自分の想いがそう聞こえたのかもう確かめる術はない。
そのまま左手を楓の顎に手をかけ、口元を上向にあげた。僕は左下へ顔を向けそのままキスをした。暫く続いたキスの後、抱きしめていた。手が胸元へ動いた時楓は、僕の肩に当てていた手を何度か叩いた。待ってと言うばかりに。
顔を離し楓の顔を見た。
楓は「ゴメン」
「えっ今更?」
「違う、違うこのままだと床でする事になるから、布団敷くのを忘れてたのを思い出したから、ちょっと待って。手伝ってくれたら嬉しいな」て
「あっ手伝うよ」
てっきりここまできてお預けかと思ったよ
布団も敷き終わり、楓は服を脱ぎ恥ずかしいからと布団に入っていった。
僕も服を脱ぎ布団に入った。
「ちゃんと付けるものは付けてね。子どもが子どもをつくちゃダメなんだからね」
『妊娠させて結婚する手もあったけど、先制されたな』
「ダメなんだ」と返すのが背一杯だった。
甘い一夜を過ごし帰宅した。
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