一 楓 その二
「猿田彦神社では、おみちびき祈願があるんだって」
「ヘェ〜」
「何?その興味なさげな返事は!もう」
てほっぺを膨らまして、ぶう垂れる楓
「興味無いわけでなくて、うわそれ何?凄いやってみたいよね。楽しみ見たいなのを期待してたの?」と楓の膨れたほっぺをを下から覗きこみながら大袈裟にジェスチャーしながら聞いてみた。
「いや、そこまでされたらちょっと恥ずかしい」と照れる楓
「上手く言えないんだけどさぁ、何かこうもう少し違うリアクションが欲しかったと言うか」段々声が小さくなり、顔は下向きに手はモジモジとし出した。
「ごめん、ごめん。あんまりそういう事に気が回らなくて。しかも、俺デリカシィないの知ってるじゃん」
「まぁねぇ、そうなんだけどさぁ、なんだかなぁ」
と年上なのに年上と感じさせない。この可愛いらしさが堪らなくいい。
頭の後ろで手を組み明後日の方向を見ながら思っていた。でも、少し拗ね気味の楓は元に戻るきっかけが無くまだ、自分とは反対に顔向けていた。
楓の腰を後ろから両手で抱きしめて、そのまま抱き抱え10m位走った。
「エッ何?何?」
とビックリした顔で呟いた。
そして、楓を下ろした。
「チョットいきなりするとビックリするじゃん。転んだらどうするの?一生残るキズ出来たら責任とってくれるの?」
「責任は取れませんよ。責任は義務みたいじゃん。責任じゃなくて、……」
「子どもはまだ子ども欲しがっちゃダメなんだよー」
言っている意味わからんし。なんか飛躍してるし、と言うか暗にからかわれただけか。
そうこうしているうちに、おみちびき祈願についた。
『機嫌も治ったしいいか』
八角形の石に祈願しながらお金を投げ何処にお金が止まるかで占うらしい?
お金を投げるのではなく石を触るのだそうだ。このお金は何?と思いながら、次の神社に向かった。
佐瑠女神社縁結びの神社らしい。
まぁこの時の僕は、ずっと一緒にいられます様にと祈っただけだけど。
「ネェ何祈ったの?」
『エッ聞く?そんな事』
「人に聞く前に自分から言わないと」
と悪態をつく。
「えぇ、小馬鹿くんが言わないと教えない。」
「はぁ〜俺行ったら、内緒とか言うんでしょう?」
「流石に読まれたか」
・・・ ハッ?
下向いてた顔が此方をむいた。
「私が先に言っても小馬鹿くんも同じ事言うじゃん」
「あぁバレたぁ」
チョット苦笑いした。
「酷い。ズルイ」
またほっぺがハムスターになった。
「楓と一緒にいられます様に かな」
私はね
「内緒ぉ〜」
と少し前に出て、此方に向き微笑んだ。
とその時段差?が何かでかかとが当たり転びそうになった。
思わず手を引き豪快にこける事は無かった。
手を引いた分そのまましゃがんだ格好だ。
アニメや小説の様に手を引いて抱きしめるなんて出来なかった。
「えへへへ、お尻着いちゃった」
「全く、おしり土着いちゃったよ。ほらとお尻の土を叩いて取った」
「ありがとう。でもエッチ 」
「はぁ〜なんでエッチになるんだよ」
「女の子のお尻触ったじゃん」
「触って無いし、スカートの土落としただけ出し」
「これね、ミニスカートに見えるキュロットだよ。ほら?」
前のスカートの部分を捲りショートパンツを見せてくれた。
「あぁそういれば後ろはスカートになって無いね」
「少しはそう言う事勉強しなさい」
「楓が教えてくれればいいじゃん」
「はぁ〜、私が着てきた服教えてたら意味なく無い?」
またハムちゃんスタート
「俺は見てくれよりも中身だから。一層他人からはあの子何?ダサくない。くらいでいいけど、この子が可愛いのは俺だけ知ってればいい派だから」
「えッえぇ毎回今日はどの服にしょうとか考えているのに。」
またハムちゃん
「ちゃんと何時も可愛いなとか思っているよ」
「本当?」
「本当」
「今日言ってくれた?」
「言って無かったけ?」
あっ地雷踏んだ。
「もう12時間は一緒にいるけどまだだよね」
「ゴメン、言い訳しない」
「素直でよろしい」
機嫌が直ってよかった。