レッツ異世界転生
いまから、もう十数年以上前の話になる
小学生のころだ、俺は学校のテストで100点をとるのが当たり前だった。算数国語に理科社会。
漢字の書き間違い何て理由でそれを逃したなんて日には、すごく悔しかった。といっても、次の日には悔しさなんてきれいに忘れていたが。
それよりも、ネットや本で歴史やら科学やらの雑学を知ることに夢中だった。無駄に大きかった脳ミソの容量に、溜め込まれていくさまざまな無駄知識
授業何てほとんど聞かなくても大体の問題は解けた。
中学生になった。最初は学年でもトップクラス。しかしだんだんと成績は落ちて行く。教科書を読んでいるだけでは厳しくなっていた。
しかし少し勉強すればできてしまう。良い気になる。よって宿題もしなければ授業も聞かない。先生の声は催眠術のように眠気を誘う。そしてその頃小説を読むようになった。退屈な現実よりも何万倍も魅力的だった。聞く気のない授業、更ける妄想、空想の世界で冒険の旅に出る。
内容はよくあるチート主人公inなんちゃってファンタジー、希望に満ちた世界。今はもし次があるのなら、こんな世界へいってみたい。そう思うこともある。
高校生。相変わらず勉強何てほとんどしない。そもそもする習慣すらなかった。成績は赤点ギリギリの低空飛行、才能という貯金は、もうとうの昔に食い尽くしていた。
ギリギリで入った大学をなんとか卒業し、会社に務め、もう何年たったか。いまからなにかをしようにも、頭は昔のようには働かず、体は仕事の疲れを処理するのが精一杯。
そんなつまらない日常を、紙に書かれた空想の世界でかきけして、引き戻されて、、、、
十で神童、十五歳で才子、二十歳過ぎればただの人
俺は神童にもなれなかったのだから、二十歳過ぎれば人並み以下だ。ようやく努力を覚え、あがいてみてもあの頃のようには戻れない。
もし、『もう一度』があるならば…………………………………
ついそうかんがえる。スーパーの袋を手にもって、独り身のアパートへ変える道。気持ちは完全に上の空
「おっとっと、」
ちょっと足がふらついて、歩道から車道へ体が傾く
「あっやば…」
転けた先には車のライト、避けようにも体のバランスは完全に崩れている。
そうして俺は……………
………………………
………
『おぎゃー、おぎゃー』
なんか、小さくなっていた。
えっ、ナニコレ?