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この連載作品は未完結のまま約8年以上の間、更新されていません。
今後、次話投稿されない可能性が極めて高いです。予めご了承下さい。

黒鉄の城

 軋む関節のねじ切れるような破砕音が頭に響く
 異常を示すアラートがこの狭く暗い棺桶の中を赤く彩る。
 先程まで元気に悲鳴を上げていた同輩の声も今は聞こえない。

「撤退は認められない、死守だ!死守しろ!」

 それを受け取るべき護衛はもう居ないというのに、
 壊れたラヂオの様に同じセリフを垂れ流す通信機に本気で殺意を覚えた所で、状況は変わる訳がない。

 残った作業用ワーカーが健気に対害獣用の小火器で撃ち返しているが、
 此方が一撃った所で向こうから十のお返しが来るような状態だ。

 また此方のワーカーが火達磨になり無数の破片に変わった。
 俺が未だに原型をとどめてるのはただの運だ。
 最初に俺の前で作業していたワーカーが吹っ飛んだせいで
 たまたま俺のワーカーの膝関節が破損し、そしてたまたま自分が掘っていた穴に転げ落ちた。
 ただそれだけだ。

 結局、その運も数秒自分を生かしてくれただけのようだ。
 豆鉄砲を悔し紛れに打ち返してみるも、所詮作業用ワーカーでは相手の一歩を止めることすら不可能なようだ。

 前線から離れた場所だから大丈夫と武装の殆ど無いワーカーで来た事への後悔、早々に退場してしまった頼りない味方への罵倒、
 とどめを刺すべく近づいてくる敵への恐怖、何とも言えない様々な感情で頭の中は沸騰する。

 くそったれ、コクピットに一発叩き込んでくれるだけで終わりだっていうのに、丁寧に両腕を破壊した後
 俺の落ちた穴に建造物破壊用の大型多弾頭手榴弾投げ込みやがった。
 顔は見えないのにニヤけてるのがわかる。
 最悪のテラテラのトカゲみたいな嫌らしい面をしてる、絶対にだ。

 閃光とともに耳を劈く多数の轟音、そして僅かな浮遊感とともに、視界はブラックアウトした。




 3XXX年 日本は3つの勢力を主軸に戦国時代に突入していた

 北海道を支配下に置く革命軍 日本人民共和国
 関東を支配する帝国軍 大日本帝国
 九州を本拠地とする同盟軍 自由日本同盟
 そして、生まれては消えていく多数の小国

 何時から始まったのか、そして何時終わるのか。
 もう誰も覚えていないのに、戦争は続く。
 鋼と炎が世界に蔓延し、それが当たり前となったこの時代、人は戦うために生まれ、そして死んでいった。
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