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スキル発現

わりと深夜テンションで書いたから、支離滅裂かもしれない……。

 寝たと思ったら、目が覚める。

 いつ体感しても、これは慣れないものである。

 感覚で言うなら夢から覚める感覚に近いのかもしれない。夢から覚めたらまた夢から覚める。軽いホラーかもしれない。まあ、美人に会うためにホラー体験するんだったらいいかなって思っちゃうんだけどね。


「や、エルシィさんこんばんは。今日も来たよ」

 

十年の間で俺はエルシィさんに砕けたように話せるようになった。

彼女も最初より近しい感じで話してくれるようになった。


「こんばんは。いらっしゃい」


そういって豊かな胸の上からエルシィさんは話しかけてきた。そうエルシィさんは上から話しかけてきた。いわゆる、膝枕的なサムシングである。とても柔らかくて気持ちいい。男が一度は夢見る展開の一つだ。

……なんて言ってみたが、これは彼女の好意でやってくれている事だ。始め俺は床に直接現れていたのだが、それじゃ嫌だろうということで、毎回俺が現れるところの座って俺膝枕をしてくれている。彼女は優しいので、本当は嫌なのかもしれない。十年間一緒に過ごして、仲良くなって、それはないと思う。

しかし、もしエルシィさんに嫌われていたら立ち直れない自信がある。


「暗い顔してどうしたんですか?起きてるときに何か嫌なことでもあったとか?」


ネガティブな考えをしていたら顔に出てしまったらしい。

この空間では考えがエルシィさんに漏れない。俺はもちろん恥ずかしい考えとかが筒抜けじゃなくてよかったと思っているが、エルシィさんもこの空間を気に入っていた。

気に入った理由は、いつも仕事で人の心の声を聴いてるのにここでも聞いていたら疲れているからだそうだ。

その時、エルシィさんは


「それに蒼一朗さんの声は生で聞いていたいのです。……好きな人ですし」


後半の声はボソッとしていて聞こえなかったが、その時の聖母のような微笑みは俺の心臓は早鐘を打った。

いつもエルシィさんはどちらかというとクールなタイプだ。もちろん笑顔も見せることも多いが、俺が間違ったことを言うと丁寧に教えてくれるし、部屋出来ている普段着も結構シンプルで上品なものを着ている。それに着物が似合うし、きっとスーツも似合うのだろうと思わせる風だし、他にもクールビューティーな人の特徴を兼ね備えている。

そんな人が、いつもよりも上気した頬で、潤ませた瞳で言ってきたら男はドキドキしてしまうものだ。

そんな人と一緒にいたら自分と話をしていると思うと自分のほうが下に思えて、ネガティブになってしまう。

時々、自分がこの人と一緒に居て良いのかと思ってしまう。


「いや、なんでもないよ」


「なんでもないことないでしょう。結構暗い顔してましたし、私でよければ相談に乗りますよ?」


エルシィさんのことをエルシィさんに相談できるかっ!恥ずかしするっ!


「ほら!相談してください」


クール美人の圧力がかかる。


「うっ!……じゃ、じゃあ相談なんですけど、俺ってここに居て良いのかなって」


「えっ?」


キョトンとした顔をするエルシィさん。

まあ、そうなるよな。こうなったら自棄だ!全部言ってやる!


「俺ってあんまりうだつの上がらない人間なのにエルシィさんと居て良いのかなって、思ったんですよ。エルシィさんと釣り合わないし、他にやりたいことがあるんじゃないのかとか思っちゃって……」


「何言ってるんですか!蒼一朗さんは十年前も周りのことを考えすぎて逆に周りが見えてないですね。蒼一朗さんは、周りのことを気にしすぎなんです。一緒に居ちゃいけないって誰が言ったんですか?私が貴方と居たいと思うから一緒に居るんです。やりたいことなんてあなたと会う以外はありません!」


「そ、そんなに思ってくれてるんですね!」


「あ、いやその。そんなに思ってるかというと……」


エルシィさんは顔を赤かくして俯いてしまった。


「どうかしましたかエルシィさん?」


「いや、なんでも……。と、とにかく貴方はここに居て良いんです。わかりましたか?」


「はい!」


いや感動だな。まさか、エルシィさんにここまで思われているとは思わなかった。これはもう親友といっても良いかもな!


「そうだ!今日はただ喋るだけにここに呼んだわけじゃないのです。貴方のスキルについてお知らせするために呼んだのです。蒼一朗さん明日……というかもう今日ですか、10歳誕生日ですよね?神様のお話を覚えていますか?」


「もちろんです!スキルのことですよね?」


「覚えていましたか。なら、話は早いですね。その内容についてなんのですが……」


エルシィさんの話をまとめると、身体能力の補正がかかるスキルは具体的に言うと有名高校の部活のエース並みには補正がかかるらしい。もちろん鍛えれば土台が大きくなるからし、鍛えなかったら体がついていかなくなるそうだ。でも、これでもかなりの補正だと思うが、低ランクのスキルに入るのだそうだ。

もう一つのスキル鑑定のほうは結構凄くて見ただけで、そのものの名前がわかり、知りたいことが出てくるらしい。例えば俺なら 岩代 蒼一朗 男 10歳……といった具合だ。ただ、テストとかで答えがわかるわけじゃないので、無双はできないそうだ。それでも、かなりすごいものだと思うんだよね。できないことは生物の考えていることを知る事と弱点を把握することだ。これも上には心の声まで聞こえるやつがあるというのだが、正直そこまでの性能を持っていたら悪用しかできないので、今ぐらいが丁度いいと思う。

エルシィさんはせっかくだから何かスポーツでもしたらどうかと言ってきた。確かに部活のエース並みの身体能力があるならそれもいいかもしれない。今後検討しよう。

それから、俺はエルシィさんが入れてくれたお茶を飲み、他愛もない話をして朝を迎え目覚めることになった。

ああ、また早くエルシィさんに会いたいな。


「そうくん起きなさい!遅刻するよ」


むむ、この声は姉さんだな。さて、今日も学校だ。エルシィさんとの会話を糧にして今日も1日頑張ろう!


感想 誤字、脱字の指摘 批判 意見 ぶくまはいつでも受付中です!


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