5時57分。
思い付きの全9話です。
本日全投稿。
よろしくお願いします。
寒い。
布団から手を出して、枕元に置いたスマホを掴む。
冷た。
05:57。充電中。
いつもならもう少し。
けど。
設定しているアラームを解除して、充電器を抜き、私もベッドから抜け出す。
うわぁ、ひゃっこい、ひゃっこい。
踵を上げて、つま先立ちで、部屋を出た。
――― ――― ―――
「おはよ」
「あら?今日は早起きじゃん」
「んー」
ママに生返事をして洗面所に向かう。
蛇口を上げてお湯を出す。
前に人肌のぬるま湯がいいって聞いてからはそうしてる。
夏はウザいけど冬は有難い。
おまけにニキビも出来なくなった。
元動画忘れちゃったけど、心のハートマーク押しといたから許して。
♡ ♡ ♡ ♡ ♡ ♡ ♡
朝はトーストとコーンスープだった。
ちぎって、つけて、食べる。
この食べ方の時だけはミミが好き。
冬の、朝の、コレが、一番美味いんだ。
――― ――― ―――
「忘れ物は?」
玄関でママが見送ってくれるのは小学校の頃から。
「大丈夫」
この確認に救われたことは数えきれない。
「チョコも?」
「うるさい」
こういうセリフにムカついたことも数えきれない。
「凛ちゃんとハナちゃんの分も?」
「大丈夫!」
思ったよりおっきい声が出てちょっと気まずい―――
「んふ、頑張ってらっしゃい」
―――なんて、思わない。
ママはすごく図太くて、めちゃめちゃお節介。
だから、ごめんも、ありがとうも、いらない。
「いってきます」
「いってらっしゃい」
だから、いつも通りに言って、家を出た。
――― ――― ―――
「がんばる」
マフラーの中で呟いた言葉が顔を温めてくれた。




