第七話 七天苦王
ほとんどカレサさんから聞いている内容。聞いていない話は一緒に戦闘する仲間たちのことをPT、多人数の超越戦士の組織をフェローと呼ぶ、くらいかな。話の終盤、ギルドからお祝いとして道具袋とお金をいただいた、ありがたいね。それから山の形をした小さい石、ギルドストーンと小さく丸い石を渡される。
「小さい方の石を飲み込んでください」
指示通り飲み込む俺、石がのどのあたりまで来るとあともう少しで頂上というところで操作をミスって豪快に下まで落ちていったような不思議な感覚に襲われた。すぐに消化され安全な物とのこと。集中すると依頼という欄が増えていた、こうして石と連動するようになった。
「掲示板から依頼を選び、受付で依頼紙と石を渡すことで仕事が得られます」
バーコード読み取り機のような機械で書き込み読み込みを行う。読み取れるのはギルドのデータだけでステータスやスキルは見えない。身分証にもなり国境を越えることもできる。
「説明会はこれで終了です」
こうして戦士ギルドに加入。会議室から出てギルド内部の施設を見学する。大きな掲示板に多数の紙が貼ってある。魔物退治から探し物まで、いわゆる何でも屋だな。二階に図書室、ここでは基本情報が得られる。奥に行くと訓練室があり中には集中できるからということで巨大な石が置かれていてその上で試練をすることになっている。部屋から出ると隣の部屋の前で準備運動のようなことをしている人が。俺が見ていることに気が付きこれやると調子いいんだよと話して中に入っていった。ルーティーンってやつか。試練に挑戦する場合は受付に話して挑戦中のカードを入手し扉に張り付けておく。
「053室、出てこないぞ、突入する」
受付の人間が053の扉を表から開ける、中には石の上で失神している男性が。すぐ担架に乗せ運び出された。このようにもし気を失っても時間で救出してくれて介抱してもらえる。それだけ精神に与えるダメージが大きいというわけだな。さらに奥に行くと訓練場とつながっていて、ここでは戦闘の練習をすることができる。少し離れて解体場、魔物を解体したり、部位を買い取ったりする場所。これで一通り回ったかな。夕日が差してきた、そろそろ時間だ。ギルド内部に戻りテーブルについて休憩しながらカレサさんを待つことにする。
「お待たせ。話というのはコイツ、これは国からの報酬だ」
カレサさんは大きなお金袋をドンとテーブルの上に置いた。一体いくら入っているんだろう、とにかく大金だ。
「ギルドに預けておくといい」
「ですね」
受付にお金を持って行って預ける。他にも道具や武器防具を預けることができる。その後は二人で酒場へ。
「仕事はまだだったな、まあ最初は弱い魔物を狙っていけばいい」
「もう少し街にいて超越戦士に慣れたら出発しようと思います」
「わかった、出発の際は言ってくれ」
「はい。そうだ、気になることが」
「なんだ?」
「第二王子がつぶやいていた七天苦王って何ですか?」
七天苦王と聞くとカレサさんが一瞬体の動きを止めた。そしてこちらを向き話を。
「これから街を出ていくのなら話しておいた方がいいか。金のためならどんなこともする精鋭七人の傭兵集団の名前だ。とんでもなく強く、世界最強の軍団と噂されている」
そんな奴らの名前を出した第二王子。契約をしたかったが現在彼らは遠くの地で作戦中。それで雇えなかったのではとカレサさん。実際遠く北の地で戦っているという情報が入ってきているとか。戦闘狂ではあるが契約には厳しい面もあり、予定が狂えば場を捨て離れてしまうとか。血も涙もないと語られているが傭兵なら金と自分の身が一番なのは当たり前ではあると話すカレサさん。
「無敗、七天苦王と戦闘をするということは死を意味する」
「そんな連中とは戦いたくないですね」
「良かったんですか? 第二王子を放ってしまって」
「騎士団が参加しないという条件が果たされなかったからな、これでいい。お前も見たろ? 散り散りに逃げていく兵たちを。外からの兵だけですでに圧倒的な戦力差があったからあのまま残るのは危険だった」
「それでも我々なら」
「確かに俺達は強いがその考え方は危険だ。場を見極めギリギリにならない程度で契約しているんだ。それにもしかしたらとんでもない強者が潜んでいた可能性があるだろ」
「だとしたらますます戦ってみたかった」
「はは、それが本音か。まあもしそんな強者が存在しているならいずれ戦うことになるだろう。その時に楽しむといい。もちろん俺もな」




