第六話 今後
「今後はどうする?」
「うーん、そうですね」
一夜明けて朝、カレサさんが今後の話をと俺のいる客室へ来る。
「王から勧誘しておいてくれと言われてな」
「ええっ!?」
受け入れると国の兵士になるわけか。自由がなくこれから国の立て直しが大変だから勧めはしないけどなと苦笑いをしながら話すカレサさん。正直、この世界に来たばかりで右も左もわからないからな、流されるまま兵となって拘束されるのはよろしくないかも。自分で考えての行動ならいいけどね。それから仕事があわなければ人生辛くなるかもしれない。兵士に限った話ではないけど、簡単にやめますとは言えないだろうしな。問題が多いな、兵はやめておくか。ふふ、しかし素直でいい人だ。それから超越戦士として生活するならこの国よりも隣の隣の国にある大都市バーズが良いと教えてもらった。付近はしばらくの間、混乱に乗じて悪さをする奴が多数出てきそうなのと、バーズなら様々な施設があったり情報が入ってきたりと世界を知るならそちらの方がいいからとのこと。駆け出しの戦士の俺ならなおさら良さそうだ。なるほど、なら移動しようかな。
「で、兵の話はどうする?」
「そのお話はなかったことに」
「了解した。それからすまない。まさかこんなに早くレベルを上げられるとは思っていなくてな」
上位種があるスキルは基本上位だけ取ればいいとのこと。
「なら一回リセットもありか」
「ええっ!? そんな気軽にリセットして大丈夫か? 大変だろう」
「結構慣れましたから問題ないですよ」
「(やはり只者ではなさそうだな)それならいいが。この後のことだが王が会いたがっている、時間になったらまた来る」
部屋から出ていくカレサさん、少ししてまた客室に。第一王子、現在王が挨拶をしたいと応接室に呼ばれる。王様か、緊張するな。カレサさんに連れられカチコチに緊張して応接室へ。兵が扉を開け中へ入る。
「私はティーフ、よく来てくれたヒテン、君の話は聞いているよ。ほぼ君のおかげといっても差し支えないだろう、今回の協力、感謝する」
深々とお辞儀をする王様、ちょっと、王様が何してんの! 慌てふためきこちらもお辞儀で返す。
「はは、座ってくれ」
イスに座り会話をする。
「うちに欲しかったがどうやら振られてしまったようだな」
「すみません」
「かまわないさ。後のことはカレサに相談してくれ」
軽く会話をして、カレサさんがそろそろ行こうとこちらに声をかける。
「では失礼します」
応接室から出ていく俺達、入れ替わる様に次の人が部屋に入っていった。忙しそうだな王様、国の復興をしていかないとだから当然かもだが。客室に戻りカレサさんから今後の話の続きを。
「超越戦士ギルドという戦士の専用機関に登録して、仕事をしてお金を稼いでいくといい。多くの超越戦士がギルドと契約している」
ギルドは戦士の育成や保護などを目的とした組織。世界規模で基本どの国にもある。その昔魔物という驚異に対抗すべく世界が一体となり立ち上げたといわれている。それから軽くアドバイスを受け、夕方またギルドで会う約束をし別れる。洗濯をして綺麗になった旅人の服に着替えて街に出る。
「ようやく自由の身か」
うーんと伸びをしながら様々な人々が行きかう街へ。戦闘があったとはいえ片方はすぐに逃げ出し一方的な戦いだったから街には戦火の跡はほぼない。羽が生えていたり尻尾があったり変わった人たちがいる。人間以外の人、獣人という種族がこの世界には多数存在する。
「魚が安いよ!」
「ここでは入手できない珍しいものだ、さあ買った買った!」
「活気があるな」
兵に捕らわれて入った時は人の行き来も少ない静かな街だった。まるで違う街に入り込んだかのように街が生まれ変わっていた。
「さてと、まずは宿を取るか」
宿屋を探しだし寝床を確保。次はギルドで登録だが、時間が決まっていて次回は午後一からだったな。では先に昼食を食べてと。店に入り料理を注文、街の食べ物もいける、先に牢屋に入ったおかげかどんなものでも美味しく感じるように。そして食後ギルドへ。
「ここは超越戦士たちのギルド、戦士ギルドです。はい、すでに戦士になっていてギルドと契約したいと。わかりました。ではこちらにお名前の記入を」
ヒテンと記入し受付に渡す。
「会議室で説明会が始まるのをお待ちください」
そう言ってギルドの奥に通され部屋で待つ。その後三人部屋に入ってきて、最後の人が教壇に立って話を始めた。
「お待たせしました、超越戦士について説明します」




