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第三話 楽しい

目を閉じ精神を集中させ、水面に広がる波紋をイメージする。するとシステムが起動、ゲーム画面のようなものが脳内に現れる。多数のゲームが用意されていてゲームは試練と呼ぶ。挑戦するときは時間が経過しない特別な世界へ飛ばされる。しかし精神力は当然削られ消耗する。レベルが上がるほど難しくなり同じ試練でもレベル2と3では難易度に差がある。クリアするとステータスが上がったり技を覚えたりする。入手できるものが書かれているな。レベル10になると第二段階となり試練が増える。第二段階の試練群は初期試練よりも難しい。


「ちなみに奴らが兵として取り立てると設定しているレベルは10だ。試練の攻略は困難を極める、中には病んでしまう者もいる。無理をしないようにな」

「わかりました」

「昔から伝わる攻略情報を教えよう」


オールステータスが上がる試練は難易度が低めだが上がる量も少ない。自信があるのなら力だけ、速さだけと単独で上がる試練を受けることが理想。一応やり直し用のリセットが可能だがその場合はすべての試練がリセットされレベル1からになる。もう一度やろうとは思わないだろうから試練は慎重に選ぶように。うーん、難易度にもよるか。触ってみないとわからないな。


「よし、実際に試練をやってみよう。今回はどんなものか試すだけでいい。まだ説明してないところもあるから今回はクリアしないように」


集中するとゲーム画面が表示された。一つ目に表示されている試練は速さのステータスが上がるな、題名はアイアムボマー。頑丈な金属の玉の中に入り、小中大の爆弾を生成し爆発させ移動しゴールを目指すゲーム。なかなか歯ごたえがありそうなシステムだ。中の人が忙しそうだな、それで速さがあがるのか。


「他はどうだ」


簡単との話のオールステータスアップする試練を確認。内容としてはアイテム収集系、これは簡単だね。聞いた通りステの上がる量が少ない。ステ単体上昇の試練で良さそうか。ということでアイアムボマーを選び決定。


「ここは」


気が付くとゲームの中に入っていた。ゲームの異世界に飛ばされ更にその中のゲームの世界か。なんだかややこしいな。キャラを動かすのではなく自分が動くわけね、新感覚かも。フルダイブ型のゲームか、ゲーム的に人気が出そうにないけど。現在いる空間は宙に浮いていて他の人が試練に挑戦している様子を見ることができる不思議な空間。呼びかけるも誰も返事をしない。ただランダムに他の人の様子を映し出しているのかも。


「ギャーー!」

「こんな罠置くなよ!」


思ったように飛ばず落下していく金属の玉や理不尽な罠で落とされる玉など、悲鳴や怒号が聞こえてくる。これを見ているだけでも人によっては精神を削られそうだな。おっと、そろそろ自分の試練を。金属の玉の中にディスプレイがありそれがゲーム画面のようになっている。


「よーし、始めるか」


爆弾を生成して排出、設置。まずはどのくらいの距離移動するかを確認。小中大で当然違う。いいね、シンプルで最初は思うように動かせないが、少しずつ慣れていくと理想的な動きができたりする。


「かなり慣れてきたぞ」


金属の玉が空中を自在に飛び続けている、もはやこの世界は俺の庭、脳汁が大量発生してきた! こうして苦戦はしつつも楽しめた。元々好きで苦行ゲームをやっていたのもあり何とかなりそうだな。おっとクリアをしてしまいそうだ。今日は触るだけの約束だったからここまでにしておこう。ゲーム画面に戻り、そこから現実世界へ。


「戻ってきました」

「お疲れ、今日はゆっくり休むといい。かなりの精神力を消耗したはずだ」


個人的には精神力がむしろ回復したがそうだな、ここは休むとするか。場所が悪すぎてそんなに疲れは取れないけど。一日経過して次の日。


「強力な技、スキルがある」


SPを消費して強い斬撃や打撃を放つことができる。


「最終的には使いたい武器、もしくはスキルに合わせてステータスを選ぶといい。おすすめは剣かな」


武器は近距離遠距離様々。スキルの場合、例えば斬撃のスキルなら剣か斧等刃が付いた武器を使うことになる。武器種とスキルを教えてくれた。炎や氷を生成し飛ばして敵にぶつけるといった魔法もある。じっくりと考えた結果、カレサさん推奨の剣を使うことにする。どんな場面でも安定して強いとか。


「なら精神力以外バランスよく上げていくといい。スキルを覚えるのは後回し。たくさんスキルを撃ちたい場合は精神力も上げる」


ステータスをまとめておこう。


HP    攻撃を食らいダメージを受けると減っていく。0になると死ぬ

SP    スキルを使う際に必要

力     物理攻撃力

速さ    行動速度、回避

体力    HP、防御力

精神力   SP、魔法攻撃力


こんなところかな。早速試練をやっていこうか。せっかくだから昨日とは違う試練にしよう。力が上がる試練、ローリングヴェイスを選ぶ。巨大な壺を坂道を登りながら押して転がしゴールを目指すといった内容。中央より少し上部分が膨らんでいる壺。ゲームを始めて早くも苦戦、安定して止めることすらできない。そして非常に割れやすく、数々の罠が俺を待ち受けていた。へへ、だけど逆に燃えるぜ! 時間がかかったが無事ゴール。花火が上がった後ゲーム画面に戻された。クリアーのハンコが押されレベルアップ。レベル2になり力が上がった。


「ほぉ、まさかクリアしたのか! おめでとう、才能があるんじゃないか」


驚いているカレサさん。確かに苦手な人は一生クリアできないかも。そのまま続けてアイアムボマーもクリア。よーし乗ってきた、このまま攻略しまくるぞ! こうして牢生活の一日が過ぎていく。

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