第9話 副魔法陣
「995!996!997!998!999!1000!・・・・ふう。素振り千回もできるようになってきたな。」
リイのお宅に世話になっているマナは魔法剣士として魔法学校に入学をするため、剣の素振りをこなしていた。
素振り千回が終わったところで
「だいぶ剣が振れるようになったようだな。」
「はい。」
「それじゃあそろそろ剣に魔法を付与することを練習してみても良いかもしれないな。と言っても既にやったことはあるみたいだが。」
「はい。バークウルフと戦ったときに物干し竿に魔法を付与しました。たしかこうやって・・・・スラッシュ!」
マナはスラッシュ(Lv0)を剣に付与すると近くにあった剣の練習ように置いてある竹を切り裂いた。
「ふむ。魔法の付与は問題なくできているようだな。なら、これも見せておいた方が良いかもな。マナ、少し剣を貸してくれ。」
リイの父親はマナから剣を受け取ると竹の前で構える。
「スラッシュLv1!!」
リイの父親が剣に魔法を付与して竹を斬る。その時に生まれた斬撃はマナが先程行った斬撃よりも高い威力だった。
「い、今のは?!」
「副魔法陣を使ったんだ。」
「副魔法陣??」
「さっきからマナたちが使っている魔法、主魔法陣に補助的に発動する魔法で主に魔法のレベルを上げるのに使うんだ。」
「つまり魔法陣を二つ使うのか。」
「ちなみに魔法のレベルを下げるのにも使うよ。私とマナが山に登ったときに使ったけど気づかなかった?」
どうやらマナがリイと山に登っていたときにも使用していたらしい。その時マナはリイの体で副魔法陣が隠れ、魔法陣が一つ出ていたようにしか見えなかった。
「いや、気づかなかったよ。既に使っていたんだね。」
「そう。つまり副魔法陣には二つの種類があるってこと。魔法のレベルを上昇させる加算魔法陣、そして魔法のレベルを減少させる減算魔法陣ね。魔法学校に通うなら試験に出るからしっかりと覚えていてね。」
「わかった。それでその加算魔法陣ってのはどうやって使うの?」
「まだ使えないわよ。」
マナはリイに加算魔法陣の使い方を聞こうとしたがリイからは予想外の答えが帰ってくる。
「使えない?それってどういうこと?」
「この魔法陣、使おうと思ったら資格がいるのよ。『加算魔法陣使用認定証』って言うんだけど。魔法学校に入学したら私が狙う資格よ。」
「資格って・・・・既に魔法がこの世にある時点で危険だと思うんだけど・・・・。それでも取り締まっているってことは何かあるの?」