第18話 これから暮らす四人
「・・・・寮の売店は、ここかな?」
マナとリイは学園寮の売店エリアへと足を運んでいた。
「へえ。結構色んな種類のドリンク売ってるんだな。」
「まあ、王国一の学校の寮の売店だからかなり力は入ってるはずよね。」
「ねえねえ!マナちゃんとリイちゃんは何の飲み物買うの?」
あっ、忘れてた。マナとリイは『レイン』と『シール』と共に売店エリアに来ていた。
「う〜ん。カルピス・・・・はこの世界には無いか。」
「カル・・・・ピス?何それ、美味しいの?!」
「いや、何でもない。忘れてくれ。」
「じゃあ、私は葡萄ジュースにしようかな。」
「じゃあ俺は蜜柑で。」
「私は林檎・・・・」
「じゃあ私はワイン〜!!」
「・・・・お姉ちゃんお酒はまだ駄目。」
それぞれリイが葡萄、マナが蜜柑、シールは林檎でレインはワインを却下されたのでリイと同じ葡萄となった。
「それじゃあ戻ろうか。」
「うん!ところでマナちゃん!あの時はなんで一人だけグラウンドの真ん中で試験を受けてたの?」
「ああ。あれは俺だけが魔法剣士志望だったからその面で特別な試験内容があったみたい。」
「へえ〜、そうなんだ。魔法と剣技の両立なんて凄いね。私も両方好きだから剣士じゃなくて魔法剣士志望すれば良かったかも〜。」
「それはやめておいた方がいいわ。剣士は剣に強化系の魔法を付与して戦う戦い方を教えることが多いし魔術師は射出系の魔法を教えることが多いけど、魔法剣士の場合はそれらを両方しないといけないから基本的に上手くいかないことの方が多いわ。」
「へえ!そうなんだ!リイちゃん詳しい〜!!」
「・・・・逆にお姉ちゃんは知っとこうよ・・・・」
リイに説明を受けたレインは納得し、知識が無いレインにシールは呆れるが、みんな楽しく会話しながら部屋に戻ってきた。
「改めてこの部屋で俺たち四人が暮らすんだな〜って思うな。」
「そうだね。・・・・ところでさっきから気になってたんだけどマナちゃんって自分のこと俺っていうけどそれはどうして?!」
「あ〜、えっとそれはね・・・・」
「マナは自分の性受任が遅くてあまり女の子の自覚がないだけよ。気にする必要は無いわ。」
「リ、リイ?!」
「へ〜そうなんだ。・・・・性受任って何?!」
「・・・・お姉ちゃん・・・・。」
自分の一人称と性別についてをマナが説明しようとすると、リイは咄嗟に作った嘘をでっち上げてレインに説明する。それに対してマナは驚きを隠せずにいた。
「・・・・転生前は男だったことは黙っときなさい。あまり知られると余計な面倒がついてくる可能性が高いわよ。」
「・・・・そ、そうか。分かった、気をつけるよ。」
マナとリイはこっそりとマナの性別に関しては隠すことを決める。
「そっか〜。とりあえずお互いに二人姉妹同士仲良くしようね。」
「え?姉妹?!」
マナとリイはレインが急にマナとリイの事を姉妹と言ったことに驚きを隠せない。