第14話 入学試験
「おお。ここが王立魔法学校。大きいな。」
マナとリイは遂に目標だった学校、王立魔法学校へと辿り着いていた。
「受験者案内によると・・・・あ、あっちだね」
「よし、行こうか。」
マナとリイは案内に従いゆっくりと歩いていく。マナは明らかに緊張、リイも平静を装ってはいるが緊張を隠しきれてはおらず、少しだけだが震えていた。
「受験者の方々はこちらで受け付けています。」
「あ、こっちか。」
受付を見つけると二人はそこへ駆け寄った。まずは受付のお姉さんから用紙を貰い、そこへ記入する。
「あれ?」
マナは記入用紙を見て違和感を感じる。戦闘分野の項目に剣士と魔術師は書いてあるのだが、魔法剣士の分野は無かった。マナは受付のお姉さんに聞いてみようと思い、話しかける。
「あの、すみません。この用紙には魔法剣士って無いんですけど、魔法剣士ってもしかして受けれないですか?」
「ま、魔法剣士ですか?少々お待ちください。」
そう言うと受付のお姉さんは席を外してどこかへと行ってしまった。
「あれ?そんなに面倒な質問したかな?俺?・・・・ってか性別の欄、女に丸しちゃって大丈夫なのかな?」
「今更その心配?見た目完全に女の子だしついてるものがついてないんでしょ?問題ないでしょ」
「そ、そうか。なら問題はないんだけど。」
「先に中入ってるよ。」
リイは用紙を書き終えたのか先に校内へと入ってしまう。1人残されたマナは心細く受付前で佇む。そうしているうちに受付のお姉さんが戻ってきた。
「今上の者に確認を取ってきました。グラウンドにて校長がいますのでそちらへどうぞ。」
「あ、ありがとうございます。」
マナは案内された通りにグラウンドへ進む。丁度受付終了時間くらいになった時に、校内放送が流れ出した。
『王立魔法学校です。本日の試験は開始時間を変更し、遅延させていただきます。受験者の皆さまは至急、グラウンドまで起こしください。』
「ん?一体何がどうなってるんだ?」
マナは一足先にグラウンドへ到着すると、後方から次々と受験生たちが集まってきた。やがて、受験者全員が集まったのか、校長先生が朝礼台へと登る。
「王立魔法学校を受験しに来た諸君。知っての通りうちは難関の魔法学校。ちょっとやそっとで受かるような生易しい学校ではない。しかし、今回その学校に愚か者が現れた。それはマナ、と言ったな。そう、そこのお前だ!」
「えっ!」
校長がマナを指差すと、全員がマナの方を向き始める。マナは恐怖と混乱で訳が分からなくなっていた。そこへ、リイが人混みを避けながらこちらへとやってきた。
「ちょっとマナ!一体何をやらかしたの!」
「い、いや。俺は何も・・・・。」
「君はマナの友だちかな?なら見ていると良い。そこの友だちが無様に落ちる瞬間を」
校長のあまりの言い分に、腹が立ったマナは言い返す。
「ちょっ!どう言う事ですか!いきなり落ちるとかなんとか。」
「この状況に陥った者は皆試験に不合格で終わっている。それでもお前は受かるとでも言うのか?」
「元々ダメ元を覆すためにここに来たんだ。今更どうなったとしても受かる!!」
「なら見せてみろ。お前のその魔法剣士としての戦いぶりを!!」