第12話 デスフォレスト
馬車に乗り、村から出たマナとリイは王立魔法学校の受験会場へと向かっていた。
「お嬢ちゃんたち王立魔法学校へはこの森を通った方が近いからこっちを通っていくよ。」
「はい、分かりました。」
馬主の人が近道を提案したのでマナとリイは了承をした。マナとしてもリイとしても受験会場には早めに着くに越したことはない。
「ん?おかしいな。この森こんなに長かったかな?それに薄暗いような・・・・」
しばらくすると馬車は薄暗い森に入っていたのだが、馬主の人はその異変に気づく。
「何かあったんですか?」
「いや、いつもだったらもう森を抜けている頃なんだけどね。こんなに薄暗い森じゃないんだけど。」
「ってことは、迷った?!」
「・・・・この森一本道のはずなんだけどね・・・・」
「キイイ、キキキ」
馬主と話しているとふと謎の鳴き声が聞こえた。
「な、なんだ?」
「この鳴き声、そこら辺の鳥とかの鳴き声じゃないよ!」
「キイイ、キキキ」
鳴き声はだんだんと大きくなってくる。まるでここに近づいているかのように。
「な、なんなんだ?!」
「・・・・全員!飛び降りて!!」
「え?」
リイが叫んだ後、全員が馬車から飛び降りる。すると何かが馬車をすり抜けてきた。
「な、なんだあれは?」
「いきなりだから分からない。けど馬車をすり抜けたこと、そしてこの森の雰囲気から考えると、相手はゴーストだよ!」
「ゴースト?!」
「キイイ、キキキ」
ゴーストは相変わらず不気味な声を上げる。そしてマナやリイの方を向いた。どうやらマナやリイを標的として認識したらしい。
「リイ、あのゴーストたち、倒せそう?」
「1体だけならいけると思う。・・・・でもそんな訳はなさそうね。」
「え?!」
リイの読み通りゴーストたちはたくさん集まってきた。
「ひい!!ゴーストたちがこんなにいるなんて!終わりだ!!」
馬主の人は恐怖で発狂する。不幸なことにその叫び声でゴーストたちは馬主の方を見てしまう。
「・・・・はっ!騒がないで、静かにして!ゴーストたちがあなたを標的にしてしまう。ここは私たちでなんとかするから!」
「簡単に言いますけどリイさん、僕たち資格も持ってなければ王立魔法学校の学生ですらないですよ。この量のゴーストを捌ける自信がおありで?」
「ウジウジ言ってないで覚悟を決めなさい!おっぱいついてるんでしょ?・・・・あ、マナはまな板だったね。マナだけに。」
「いや、人の覚悟に干渉しようとしておいて唐突の悪口!しかし残念ながら元男の俺にはその悪口は通用しません!」
「まあ、このゴーストたちは受験勉強だと思えば良いのよ。私たちが受けるのは難関なんだから。」
「・・・・そうだね。いっちょやっちゃうか!」
「それじゃ、始めるよ、マナ!」
「OK!戦闘開始だ!」