藤野 玄人、事件に巻き込まれました。④
目の前に立っていたのは、校長先生だった。俺たちの口を塞いでいた男達を殴ってどかしていく。
「大丈夫!?」
少し遅れて、三人も走ってきた。それを見て、校長先生は前に出る。
「あぁ、一応大丈夫だ」
俺は隣まで走ってきたキャルロットに言い、視線を前に向ける。
「ちっ、邪魔だ、どけ。さもなくば、お前ごと殺す」
それを聞いた校長先生は、不敵な笑みを浮かべ、
「ほほう?誰が?殺すって?」
殺し屋の首を掴んでいた。
……え?いつのまに動いたんだ?
「あ……が……」
「おい貴様、命が惜しいか?」
殺し屋は、首を縦に振ろうとしているのだろう。でも、首を掴まれ、上手く振れていない。
「そうか。なら、質問に答えろ。雇い主は、誰だ?」
そう言い、殺し屋は地面に放り投げられる。
「……ふははははは、私を離したのが運の尽きだな!見ろ、これが何かわかるか!?爆弾のスイッチだ!これを押せば」
「ほれ」
校長先生は、彼の声を遮って、どこからともなく取り出した、四角い物体を見せる。
「どか……は?貴様、どこから持ってきた!」
あの慌てようを見るに、あの物体は、爆弾なのだろう。
「いやあ、なんか転がってたもんでな、ついつい持ってきてしまったよ……」
彼女がそう言い終えた瞬間、空気が一気に変わる。
「で、私の運が尽きたって?お前の命の間違いだろ」
次の瞬間には、彼がいた証拠は何一つとして無かった。
俺たちは今、以前俺が治療を受けた、王都病院で治療を受けている。ちなみに、俺の治療はすでに終わり、今は椅子に座って校長先生と話している。
「あいつが【暴化】を付与した犯人なんですか?」
俺は校長先生に聞く。
「いや、わからんが恐らく違うな。奴は殺し屋を自称していた。殺し屋というのは、誰かに雇われて初めて仕事をするんだ。だから、本当の犯人はその雇い主だろう」
それともう一つ、と校長先生は続ける。
「【暴化】は、何度も付与することによって、その色が濃くなる。私があの場に着いた時、奴が【暴化】を使えば命は助かっただろう。でも、しなかった。いや、できなかったんだろうな」
「ということは、明日、まだ何か仕掛けてくる可能性があると」
「あぁ。しかし、中止にはできんな。なんせ、爆弾が仕掛けられていたんだ。他にも何かあるかも知れん」
そうか、なら気をつけないと。
「君も用心してくれよ。じゃあ、私は他の二人の様子を見に行ってくる」
ここまで読んでいただきありがとうございます。
短めで失礼。




