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14話 藤野 玄人、準備しました。

「そういえば、俺はどこに泊まればいいんだ?」


 俺はふと気になって、キャルロットに聞いた。


「えーと……たしか、編入トーナメントを受ける人が、編入する生徒が決まるまでは泊まれる寮みたいなのがあったと思うわ」


 そんなのがあるのか。


「というか、さっき貰った紙に書いてあると思うわよ?」


「ごめん、読んでない」


「じゃあ今確認したら?」


 それもそうか。


 俺は紙をめくり、該当するページを見る。


「……あ、あった、これか。えーと……」


 どうやら、番号の書いてある紙を見せると、部屋を使えるようだ。


「なあキャルロット、今から行きたいんだが、もう一回だけ案内頼めるか?まだ場所を覚えてなくて」


「全然いいわよ!」




「……ここか」


 それは、大きくて綺麗なアパートという感じだ。二階建てで、二階の部屋へは外の階段から昇っていける。


「して、管理人室的なのはどこだ?」


「そこにあるわよ、ほら、門の近くに小さなプレハブみたいなの」


「ああ、あれか」


 というか、こっちにもプレハブはあるんだな。


「ありがとう、それじゃあいってくるよ」




「すみません」


「はーい?」


 中から出て来たのは、綺麗な若い女性だった。恐らく、管理人さんなんだろう。


「………………」


 俺はしばらくの間、黙ってしまっていた。


「おーい、どーしたのかな?」


「……あっ、すみません。えーと、これなんですけど」


 俺ははっと我に返って、その女性に持っていた紙を渡す。


「あー、これね。じゃあ、ついて来てもらえるかな?」


「わかりました」


 俺は歩いていく女性についていった。




「ここね」


 俺が案内されたのは、アパート1階の真ん中辺りの部屋だった。


「ありがとうございます」


「ん、じゃあ、私は管理人室に戻るけど、わからないことがあったらいつでも来てね〜」


 管理人室ということは、やっぱりあの人は管理人さんか。


 管理人さんは、管理人室へ歩いて行った。


「なかは……意外と広いな」


 外から見ると狭そうだが、中は奥に広かった。


 玄関を進むとすぐにドアがあり、入ったら右側がリビング、左がキッチン、そこからまた左に曲がるとトイレや洗面所があり、風呂がある。


 普通は引っ越したら最初にするのは持って来た荷物の開封なのだが、俺はなに一つとして持っていない。どうしようかな……


「あ、キャルロットがまだ門の前だな」


俺はキャルロットのところまで行く。




「おーい」


 俺はキャルロットの方は駆けていく。


「あ、きたきた」


「なあ、ちょっと相談があるんだが」


「なに?」


「俺、服とか家具とかなにも持ってないんだけど、どうしたらいいかな?」


「家具は全部備え付けだからなにも買わなくていいし、学校から制服は支給されるから、私服が二、三着あればいいの……こんなこと言っちゃいけないと思うけど、まだ入学できるってわけじゃないから、入学が決まってから買う買わない決めればいいと思うわ」


 それもそうか。


「そうか、ありがとう。あ、もう一ついいか?」


 俺は続ける。


「編入トーナメントに向けてレベルを上げたいから手伝って欲しいんだけど」


「オッケーよ!あ、そうだ、ジャックも誘いましょう?」


 それもいいな。


「でも、もうすぐ日が暮れるから、明日からにしましょ?」


「確かにそうだな」


レベル上げは明日からになりそうだ。




 翌朝。


「おはよう」


「おーす!」


 ジャックとキャルロットに門の前で会った。


「じゃ、今日はよろしくな」


「おうよ!で、今日はどこにいくんだ?」


「そうだな……どっかいいとこないか?」


「じゃあ、森の反対側にある、草原なんてどうかしら?あそこなら、遠くの敵見えるから、前回みたいなことにはならないと思うし」


「そうか、じゃあそこにしよう」


「よし、じゃあ出発だぜ!」


 そこでら俺は気づいた。


「なあ、俺武器なかったわ」


「「先に言え(言ってよ)」」


「すまんすまん。ちょっと、ジャックの親父さんとこによってもいいか?」




「おうどうした?」


 ジャックの親父さんが出迎えてくれた。


「武器が欲しくて」


「なーるほどな。今いくら持ってんだ?」


「えーと、この前のゴブリンのクエストで十万クラウン程度貰えました」


「んじゃ、ここら辺だな」


 俺は少し罪悪感を感じながら、《情報視認α》を発動する。


 お、これなんか良さそうだ。


 俺は水色の杖を取る。


『アーク・グリアー

ランク:B

《スキル》

【自動発動】

《魔力増強》

《水魔法強化》

《氷魔法強化》

【任意発動】

《形質変化》』


 これ、精霊水で凍らせたら強いんじゃないか?まあ、もうすぐ無くなってしまうから、最後になるだろうけど。


「これ、ください」


「おう。八万クラウンくらいでいいか」


 くらいでって……まあ、いいならいいけど。


「よーし、じゃ、行こうぜ!」


「気ぃつけろよー」


 さ、レベル上げを始めるか。


ここまで読んでいただきありがとうございます。

何とか今日、更新できました。

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