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オーパーツは異世界で輝く  作者: 夕夜 ニベ
9/17

9話 誤解

ザザザァァ


「この音は何なのよ!?」

「2人とも離れないで!」

「お、おう」


迫り来る何かに怯えつつ、俺たちはそれに備えるために身を寄せ合い、四方八方どこから来てもいいように構える。

しかし、この備えは思わぬ形で成功し、また思わぬ形で失敗に終わった。


バッと音を立てて飛び出してきたのは、華やかな色の装備で身を固め、剣や槍を構えた多数の兵士たちであった。その兵士たちは全方向から囲むようにして突撃してきたのだ。


「なっ!?」


こうなってもいいように3人で身を寄せ合ったのではあったが、いざその状況になってみると、包囲を囲まれた鳥のように頭が混乱してしまい、いつの間にか状況を適切に判断できなくなってしまっていた。


さすがにこれは・・・やばい!!


あっという間に俺たちは完全に包囲されてしまっていた。


「ねぇ、どうするのよ!?」


俺たちだけに聞えるくらいのささやくような声であったが、話すテンポはいつにも増して早く、芽依の焦りが伝わってくる。


どうする、どうする、どうする!


何か策はないかと思考を巡らすが、何せ今はパニックに陥っておりまともに考えることすら覚束ない。

ジリジリと迫り来る兵士の包囲網に、俺たちもこれ以上下がれないというほどに身をこすり合っていた。これが絶体絶命ってやつなのか。


「みな、剣を下ろせ!」


そう思っていたところ、急に迫力のある大声が響き、兵士たちの群衆の中から隊長と思われるものが敢然と現われてきたのである。そいつは俺たち3人の元へゆっくりと、だが着実に歩み寄ってくる。そして、ある程度近づいたところで止まり、「ごほん」と咳払いをしてみせる。


「お前たちは、な、何ものなんだ?なんで俺たちを捕らえようとする?」


「我が名は、クルシュ・ネスタス。ノーム様の森を守る護衛隊の隊長である。主ら人間3名は森に勝手に侵入し、恐れ多くも爆破した疑いに掛けられている。」


俺たちが?爆破だって!?


「ちがっ」


違うと反対しようとしたが、クルシュの続く言葉にそれを遮られてしまう。


「これらの疑いが晴れるまで、主らがこの森から勝手に逃げ出さぬように身柄を我らで確保させてもらう。」


「隊長さん、1ついいですか?」


タイミングを見つけるなり、話に切り込んだのはカイであった。


「なんだ、人間よ。」


「どうやら誤解があるようです。確かに僕たちはこの森に勝手に侵入してしまいましたが、爆破なんてしていません。」


その通りだ、良いぞカイ!もっと言ってやれ!


心の中でカイを必死に応援する。


「そうであったか、」


クルシュは物わかりがいいのか、カイのいった話をどうやら受け入れてくれたようであった。これで誤解も解けて物々しい集団からも解放されるのかと思い、俺はほっと胸をなで下ろす。しかし、物事はそんなに上手くはいかなかった。


「主らではないのなら、誰がやったというのだ?人間がやったとことだとこちらには報告が入っているのだが、」


クルシュはペラペラと手元のバインダーに挟まれた書類をめくりながら話を続ける。


「それは僕たちも分かりませんが、とにかく他の人間です。僕たちもそいつを追ってきたんですよ。」


「では、そいつが主らの仲間ではないと我らに証明できるのか?」


「しょ、証明ですか・・・」


先ほどまで軽快に弁明をしていたカイの口が止まる。だが、こんな理不尽なのだから無理もない。自分とここにいない誰かの間に、関係がないことを証明するなんてそんなこと、嘘発見器でもない限り不可能である。


「どうした、できぬのか。なら、おとなしく着いてきてもらおうか。」


こいつ、まじでいかれた神経してやがる。


「ま、待ってください。証明はできませんが、どうか信じていただけないでしょうか。本当に関係ないんです!」


「我らも暇ではないのでな。主らの悪あがきに付き合っている時間はないのだ。」


それでもカイはなんとか誤解を解こうとクルシュに食いかかるが、虚しく一蹴されてしまった。


「お前ら、こやつらを引っ捕らえよ!」


その合図を皮切りに先ほどまで大人しくしていた兵士たちが一斉に襲いかかってくる。


万事休すか・・・


と完全にあきらめかけていたその時であった。


「兄さん、ちょっと待ってよ!」


聞き覚えのある声が背後から響いてきた。そして、その一声に兵士たちの動きが止まる。


一体どうしたんだ?


事態が上手く把握できず、とりあえずその声がした方を振り返ってみる。すると、


「ネっ、ネーアではないか。こんなところで一体どうしたのだ?」


不意を突かれて驚いたせいか、今まで堂々と喋っていたクルシュが初めて言葉を噛む。

その先に立っていたのは、先ほどのエルフの少女であったのだ。

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