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特撮ヒーローは異世界で真のヒーローとなれるか?  作者: ソメヂメス
第1章 王都に潜む闇
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マーダリヒ教会本部

 街道を進んでいくと長い城壁が見えて来たアポルニア王国の王都アーロンだ、インテリスターのタブレットを開き情報を見る。


 神聖アポルニア王国


 この世界最大の陸地ヤムート大陸の約40%を領土に持つ大国である。人口は約400万人で七割弱が人族、亜獣人族とドワーフ族が一割ずつ、残りがエルフ族、小人族、獣人族で構成されている。人種民族間の差別意識は極めて低い。


 隣接するナーリア王国、ヒューゴ連邦との関係は良好であり国交も盛んである。


 国土の五割が平原、三割が森林、二割が山岳地帯で大陸最大の湖、オミヨド湖の五割を領土に持ち、大河であるヤムート川が流れ水が豊富で温暖な気候の為農業が盛んで大穀倉地帯を持つ、山岳地帯に鉱山を持ち工業も盛んである。


 王都アーロン・・この世界最大の都市、人口80万人、八割が人族で他の種族が二割ほど。中心部に王城とダーマリヒ教の本部教会がありその周りを貴族街を囲みその外周を商業工業地区、一番外が平民街で周囲を外壁に囲まれている。


 ダーマリヒ教・・神聖アポルニア王国に本部を持つこの世界で最大のの宗教、太陽神ソルテを最高神とする。


 ザックリ言うとこの世界で最大級の大国の首都でメジャーな宗教の総本山があるってことだな。ギャバン団長達は王国の直属でアーシアとレイモンさんは教会本部の所属で結構地位は高いらしい。


 みんなは馬車と騎馬で俺は平民なので徒歩だ、とりあえず王都に着いたら、王城に行くギャバン団長率いる騎士団と教会本部に行くアーシアとレイモンさんに分かれるらしい。


 俺は教会本部に行く事になった、王城には平民は基本入れないからだ。教会は万人に開かれているから大丈夫だし、今回の事件について聞かれる事があるかもしれないらしい。


 魔神ダウナーを滅したのは突然現れた神の戦士であり、使命を果たした立ち去ったこと、俺は善意の協力者であることなど詳細の設定を再確認して城門をくぐる。色々手続きが必要かと思ったら、アーシアが一言いうとほぼ顔パスだった。


 門をくぐると真っ直ぐに王城と教会に続くメインストリートがあり中心部に近づくにつれ区画整理されている。まず平民街を抜ける脇道に入るとごちゃごちゃしてそうだ、下町って感じだな。次の区間は左に大小様々な店舗があって活気に満ちている、左は工房街のようで槌を打つ音や何か道具を使う音が聞こえてくる。

 賑やかで活気のある下町と商工地区を過ぎると閑静で静かな貴族地区だ、メインストリートは教会があるので平民でも通行して良いらしい。教会と王城に行く道の分岐点に来たのでギャバン団長達と別れた、明日商工地区にある宿屋でに来てくれるそうだ。今後の仕事や生活についての話をしてくれるそうだ。


 教会本部にたどり着いたら客室に通されてお茶をだしてくれた。アーシアとレイモンさんが大司教と教会幹部に報告をしてる間この部屋で待たせてもらってる。ちゃんと打ち合わせして釘もさしてるから当たり障りない報告をしてくれているだろう。


 美味しい紅茶をおかわりして、素朴な甘さの焼き菓子を食べているとレイモンさんが迎えに来た。


「今から私の事情聴取ですか?それとも報告は順調に終わって報酬の受け取りだけをして終わりとか?」


 そう言った俺に対してのレイモンさんは、ものすごく挙動不審になった。


「あ、え、いえ!そのことなのですが・・いやあ、まあその・・・・なんと言ったらいいのか・・・えっと」


「まさか、伏せておいてくれと言ったことバラしちゃったんじゃないですよね。」


「いえ、私もアーシア様も事前に打ち合わせたようにケン様については・・・・とにかくこちらからは何も言っておりません」


 レイモンさんは半泣きで俺に言う、平民として接して欲しいと言う頼みもスッ飛んでいる、様付けで呼んでるし。


 とにかく話が進まないのでレイモンさんに案内され教会の奥の方、明らかに関係者以外立ち入り禁止エリアのさらに奥、豪華な観音開きの扉があり両サイドで神官騎士が立っている部屋の前に来た。


 2人の神官騎士がレイモンさんに敬礼する明らかに上司に対すりものだ、中から声がかかり神官騎士が扉を開けてくれたのでレイモンさんと中に入る。


 中は広いホールで床、天井、壁に太陽神ソルテ様の紋章が描かれ淡い光を放っている。正面に7人の司祭が横一列に並んで立っている 、右端にいるのは正装したアーシアだ。真ん中にいる人が一番偉いようで法衣の形が違いソルテ様の紋章入り帽子を被っている。その人が合図をすると2人の神官騎士によって扉が閉められた。


 扉が閉まると司祭達は一斉に跪き祈りの姿勢になった。俺はアーシアとレイモンさんをジットリとした目で睨む。


「アァァァーシィィアさぁぁん!レェェェイィィモォォーンさぁぁん!俺のことバラしましたねぇぇ!」


 アーシアとレイモンさんがものすごい勢いで土下座した。アーシアおもいっきり顔を床にぶつけたよね!ゴチンッて凄い音したけど綺麗なお顔に傷がついたら大変だよ。


「アーシアもレイモンもあなた様の素性を自ら話した訳ではありません。城門をくぐられた時から気づいておりました、申し遅れましたが私はダーマリヒ教会の大司教を務めるパブロと申します」


 パブロ大司教を始めここに集まった高位の聖職者達は俺の神気を感じたらしい。そういえばこの部屋の紋章からはソルテ様の気配のような何かを感じる、これが神気か。


「あなた様の素性に関してはただの協力者と言っておりましたが神の戦士があなたであることは強力な神気で隠しようがありません」


「まいったなぁ俺は正体を知られずにこの世界で暮らたいのに、神気で簡単に見破られるなら平民として世界に溶け込むのは難しいのかな?」


「いいえご安心下さい神気を認識できる者はここにいる7人、信仰心が極めて強く聖魔法を高レベルで使える者か神の眷族、精霊の類い又は邪神、魔神などの敵対者のみです」


 大司教の右隣に立つ白髪で上品そうな女性がそう語る、それなら一般人生活に支障は無いだろう。俺の神気ってそんなに強いの?


 大司教の話によると俺の神気はソルテ様の使者である、ホーリードラゴンのファルナよりも遥かに強いらしい。そして魔神ダウナーを倒し、火の精霊を解放した事によって紋章の部屋に力が戻り、司祭や聖女が儀式や魔法を使い易くなったらしい。


「あなた様がソルテ様の命によりこの世界に降臨し、市井の中で救済と邪悪の排除を行うということはアーシアより聞きました、そして明日はギャバン卿とこの世界で平民として暮らすための相談をするそうですね」


「はい、私はこの世界の常識や文化、風習についてよく分かっていません一般人の生活に詳しいギャバン団長に教えを請うつもりです、後そういった事情なので私の事は平民として扱っていただきたいのです」

 

「その事も踏まえて明日ギャバン卿と共にこちらにいらして下さい、教会で支援出来る事も多いと思うのです」


 バレた事は仕方無いしその方が動きやすいかもしれない、とりあえずあえず明日ギャバン団長と教会上層部と相談する事にしよう。


 アーシアの赤く腫れた痛々しいオデコを見ながらそう思うのだった。









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