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特撮ヒーローは異世界で真のヒーローとなれるか?  作者: ソメヂメス
序章 異世界に来たヒーロー
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太陽神ソルテ

 ファルナの背に乗せてもらい飛び立つ。羽ばたいて上昇するが揺れや風圧を感じないし、背中の羽毛が柔らかくて結構気持ちいい。下を見るとアーシアとレイモンさん達が今も跪いて見送ってくれている。1人多いと思ったら団長さんがいる、アーシアに骨折治してもらったみたいだけど剣返すの忘れてた。


 上空高く舞い上がって行く、ほとんど上昇しているだけでそんなに移動していないな。

 すっかり日も沈んで、下を見ても真っ暗で何も見えない。明かりが灯っているところは町だろうか?規模がそうでもないし数も少ない。上を見上げると綺麗な星空だ。


 さらに上昇していくと空中に浮いた島のようなものが見えてきた。イオノモールの立ち回りから半日しか経っていないのに、死んだと思ったら騎士団と怪人達との戦いに巻き込まれ、聖女を助けたら悪者が魔神を召喚、本物のソルテラスになって魔神を撃破。今は龍に乗って空に浮かぶ島に向かっている。


 考える時間が無かったけど落ち着いてきたらとんでもない事になってるな。魔法があって龍がいて魔神がいるなんて俺がいた世界とは全く違うようだ。美術スタッフの堀川君がこんな感じのアニメやゲームが好きだったけど(撮影中にスマホ触って次郎さんによく怒られてた)俺はまったく興味が無かったな。


 ファルナは浮かぶ島に着地し俺を降ろすと光に包まれ小さくなっていくと、綺麗な白い髪に白い肌に赤い瞳、清楚な白いドレスにみを纏った女性の姿になる。


「ソルテラス様、本日は日が落ちてしまったのでソルテ様は活動することが出来ません、お部屋とお食事を用意していますので今日はお休み下さい」


 そういえば普通に腹が減っているなぁ、お言葉に甘えて今日は休ませてもらおうかな。

 ファルナに案内されると目の前に小さいが、いかにも神殿といった建物が見えてくる。その手前に何軒かの石造りの家がある。そのうちの一軒に案内され、すぐに世話係が来ると言われて椅子に座ってまつ。家は八畳くらいのワンルームでランプの灯りと椅子と書き物が出来るくらいの机、シングルベッドが一つのビジネスホテルのような作りだ。待っているとドアがノックされた。


「ソルテラス様お食事とお風呂のご用意ができてますが、どちらからにしますか?」


 子供のような声で呼びかけられるたのでドアを開けると身長が俺の腰くらいの二足歩行の犬がいた。怪人軍団の犬男はもう少し大きく凶悪なツラ構えだったけど目の前にいるのは柴犬みたいな顔で西洋の童話のような服を着ているファンシーな容貌だ。


「先に食事にしようかな。君たちはここで暮らしているのかな?」


「私達は弱くて地上で居場所が無い一族なんです。難民として放浪していたところファルナ様とソルテ様のお世話と聖地カガミの掃除と管理をすることで、ここに住ませていただいています。私は案内役のプーチと申します」


 外に出て1番大きな建物に入ると中は社員食堂か学食みたいな雰囲気だ、中にはプーチのような犬族が食事をしたり談笑したりしている。柴犬顔の他にもチワワ、シーズー、コーギー、ヨークシャーテリア、ダックスフントなど様々な犬種がいてみんなファンシーだな絵本や子供番組のようだ。


 食事はブュッフェスタイルのようでスープがトマト味とクリーム味の二種類、サラダバーと唐揚げみたいなものと焼豚のようなもの

 焼きたてパンが並んでる。ドッグフードみたいなヤツじゃなくて良かった。結構美味しかったし。


 犬族は友好的で俺のことは神様の客人としてもてなしてくれた。ただ気になることは俺に対する認識が異界の太陽神の眷族だということだ。俺が纏っているらしい神気とか言うモノと含めて明日神様に聞こう。


 お風呂はスチームサウナだった。結構気持ちいいな、一緒に犬族も入っているが服脱ぐとまんま二足歩行の犬だな。体毛が暑くないのか、舌を出してハアハアしてないけど体温調節大丈夫なのかと心配になるが犬より人に近い体質なんだろう。


 部屋に戻ってベットに入る色々ありすぎた一日だったが考えても仕方ないしソルテ様に会わないと何も分からないのでとりあえず寝よう。眠れる時に寝る癖を付けてるのですぐに寝た。


 少し薄明るくなったころに目が覚めた、インテリスターを見ると5時過ぎだった。家から出て周囲を散策しようかな、神殿内に入らなければ自由に行動して良いと言われてるし。


 昨日は暗くて分からなかったけど家と神殿の周りには畑と牧場があって、犬族達が家畜の世話や神殿の掃除をしている。神殿の他には、俺が寝ていた家の他に、食堂と浴場の集会所と犬族の住居が6軒だ。犬族は全部で32人で何人か子供もいるらしい。


 島の大きさは歩いて一周して1時間くらいだ、端から世界を見渡して驚愕したかなりの上空から見ているので世界の端が見えるのだが端は崖っぷちになっていてそこが海の部分の所は滝のように水が落ちている。この世界は平面なんだ、落ちていく水は無くならないのかな?


 集会所で朝食を食べながらプーチから今日の予定が告げられる。正午から太陽神ソルテ様と神殿で会談をするらしいが長くは話せないようだ、なんでも俺は特殊なので神様と会える時間は限られるらしい。


 部屋で待っているとファルナが迎えに来た、まだ時間があるので少し話をする。


「ファルナや犬族は普通にソルテ様に会えるんだろう?なんで俺は時間が限られんだ?」


「それはソルテ様の神格が低いため、アマテラス様の使徒であるソルテラス様の前で具現化するには力が足りないからです」


 え!アマテラス様って天照大神のこと?その使徒って、確かに毎日のようにお参りしてたし日々感謝して暮らしていたけど・・・・

 もしかしてここで目覚める前に聞いた声って天照大神?


「ソルテラス様が纏う神気はソルテ様より強いので仕方ありません、お二方の名前が似ているのも神の鎧を纏う時の印がソルテ様の紋章と同じなのも偶然ですがそれが深い縁となっているのでこの世界に来ていただけたのです」


 正午になり神殿に入るファルナと一緒に奥に行くと壁に変身ポーズやバーニングフレアスラッシュを決めた時の紋章があった。紋章が輝き、黄金の髪と瞳をしたどう見ても未就学の幼女が現れた。


「ようこそ加賀美 剣、妾が太陽神ソルテである、アマテラス様の導によりこの世界に来ていただき感謝する」


「あのですねぇ、俺何でこの世界にいるのか分からないんですけど」


「ああ、ぶっちゃけて言うと其方は族の凶弾に倒れ死にかけた所、アマテラス様の加護によりこの世界に遣わされたのぢゃ」


 やとぱり俺、死んだんだ、でも何でこの世界に遣わされたんだろう?ソルテさまは話を続ける。


「様々な世界の太陽神が集まる集会があってのう、そこでアマテラス様と出会い色々とアドバイスをいただいているのじゃが、妾は太陽神のなかで1番の若輩者この世界も作ったは良いが色々問題があってのう」


 そこからの話は色々熱くなったり感情的になったりと長くなったが要約するとこんな感じだ。


 太陽神ソルテは約五千年前に、この平面世界に降り立った。そして火、土、風、水の精霊を生み出しこの世界の基礎を作り、外の世界から様々な力を呼び寄せ生命に溢れたせかいを作った。

 だが呼び寄せた力の中には邪神や魔神など、この世界を支配しようとするものや生命を脅かすものに変化するものが少なからずいたのだ。

 ソルテ様や四大精霊、人族や亜人たちが力を合わせ悪しき者を封じたり神殿や聖地、国などを作って平和な世界を作ろうと尽力したが、四大精霊達は力を弱め、ソルテ様は未熟故に世界は活力を落としている。

 そして太陽神としての先輩であり実力者である天照大神が自分の世界のヒーローである俺を送り込んで世界を活性化させる手助けをさせたいらしい。


「俺、ヒーローといっても物語の主人公ですよ、何故か力が使えたけど」


「物語であっても何人もの人間が集まり知恵を絞って、魂を込めたソルテラスは力のある存在ぢゃ。其方も希望の戦士となる為日々鍛錬し、アマテラス様に祈りを捧げ加護を受けておる。」

「火の精霊は解放され力を取り戻しつつあるが、土、風、水の精霊は力を失うか封じられ世界の力が落ちておる、其方には精霊の力を取り戻し、邪悪を打ちはらい、この世界に生けるすべてのものに希望と活力を与えてほしいのぢゃ」


 簡単に言うとヒーローとしてこの世界を救って欲しいという事だよな。


「一つ聞きたい事があります、俺は玉置 大地と加賀美 剣のどちらなのでしょうか?」


「どっらも其方であるがここでは・・・加賀美・・・え!?時間切れ?・・・まだ肝心な事が・・・」


 ソルテ様の姿が消えていく、肝心なことが何か気になるが俺はこの世界を活性化するため天照大神から派遣されたようだ。


 やる事は、この世界で暮らし様々なトラブルを解決する事。情報はインテリスター通じてメールのように送られるらしい。


 とりあえずこの世界の知り合いであるアーシアとレイモンさん達に会って情報を得るか。ファルナに彼らの所に連れて行ってもらおう。




次回はアーシア視点です。

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