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福永と零
「ちょっとまってよ福永さんー」
遅れて森谷が走ってきた。さらに遅れて長原もいる。
No.零は視線だけを向けて「福永か」と呟く。
「ああ?零ちゃんじゃん」と息を整えた長原が言う。その言葉は少し馬鹿にしたような語調だった。
「特に用はないのだがな。様子見だけだ。、、、が、それも済んだ。帰るとしよう」
1度も表情を変えることなく言い放つとNo.零はポケットから石を取り出す。
その様子を見て森谷が「たしかにその格好じゃ痛いコスプレ野郎だもんね」と笑っているが、そんなことはなかったかのように福永がそのNo.零が取り出した石に興味を示す。
「なにそれ?」
「転移石だ。俺自身転移魔法は使えないからな、石にその魔法を閉じ込めている」
それだけ言ってNo.零は光に包まれ消えた。
「いや、余韻は!?ホンマに何しに来たんだよ!」と桜咲は叫んでしまった。
そんな青春。