この雨後の様に
夕方の肌寒さが
秋の音を
全身に響かせる
些細な季節音が
時間の経過を知らせる
そんな事だけ敏感肌
そう言えば
朝もそうだった
ドタバタの朝の風景は
他人には
見せられない
部屋の暗闇
晴れ渡るLED
一瞬にして
いつもの空間
風呂洗いとタイマーオン
食器用洗剤を買い忘れた
まだあってください
・・・
無かったので後戻り
お湯とタイマーの停止
お財布と鍵
扉の閉まる音
鍵をかけて
何かが始まる音
なんて言ってる
心の中
自分本意に
逃げ込んで
幸せなんて
どこにも無い
「一番正しいのが自分自身」
なんて
誰も言えやしない
言えるのは
「どうか間違えませんように」
鬱屈した夜空の下
月明かりのパレード
やたらデカイ黒い雲
近づいてくる
雨が降る
コンビニで雨宿り
タバコが吸いたくて
扉の中
欲しい物も確認
ドラッグストアとコンビニの品
頭を廻る
お金とナマケモノ
雨の様子と傘の予算
時計を見ると
「時間あります」
財布を見ると
「寂しいです」
体調に足し算する
風邪の項目
濡れて歩こうか
コンビニ傘か
外でタバコを選択
折り畳み傘の歩行者を
眺めては
早く終わった仕事と
早く1日を終わりたかった
そんな自分を並べていた
四本目を吸い終わると
雨も止んだ
通り雨か
自分を見つめる時間か
取り敢えず
目的の品を買いに歩く
コンビニから
十五分のダラダラな散歩
家を出て家に帰るまで一時間
いつもより時間軸は
一時間早いのだから
それで良いか
二回目の扉をくぐって
詰め替え用を二つレジへ
「ありがとうございました」
讃えられていた様な気がした
いつもの道のりに
いつもより煌めく街灯
雨後の匂いが雨水を集めて
流れていく
ピチャピチャした足音
遠くの空の雷音
鍵の居場所を確認しながら
財布の居場所を確認しながら
ダラダラ歩く
悪戯に運命は加速しない
このままのいつもを
続けていく限り
もう置いてあるある程度な
プレゼントに
飛び切りがプラスされる事は無い
このいつもを
もっと自由に使えたら
周りの風景は
変わるのかもしれない
この雨後の様に