5
目を覚ましたら架音と伊織さんが話していました。
架音がその場に居て目が覚めたら気づかない事がなかったから
何か大事な話かと思って声をかけないようにしていたのですが‥‥‥‥
「起きたのか?」
気づかれてしまいました。流石に初対面に近い状態で
横になったままなのも失礼なので起き上がることにしました。
「有理亜、無理しないほうが‥‥‥‥」
「大丈夫です。それより‥‥‥今の話はどういう意味ですか?」
中等部、高等部の現実的な話をしてから何かあると思いました。
まるで‥‥‥予知しているかのように‥‥‥‥
「‥‥‥‥今は知る必要がないよ。
はいはい、取り敢えず横になって」
そう言われて横に倒されました。
過保護ですよね‥‥‥‥。
「架音、知ってもらったほうが此方としてもいいのではないか?」
「でもね‥‥‥」
あれ‥‥‥?
今思ったんですけど、架音も伊織さんも‥‥‥‥
__中高生の精神の私に近い感じが‥‥‥‥
「転生者‥‥‥?」
私と同じで‥‥‥‥と思っていると口に出ていたようで
お二人は目を見開いています。
「‥‥‥‥もしかして有理亜も前世の記憶があるの?」
「も‥‥‥ということは、架音と桜宮さんもですか?」
ふと窓ガラスを見ると3人が写っていました
わたしは体調がすぐれないので青白いとしても2人も少し顔が青いです。
「そうだよ、
ということはゲームの事も知ってるだろうし、話は早いね。」
ゲーム……‥?
何のことでしょう‥‥‥‥‥?
「どういう事、ですか?」
「知らないということだな。」
「ほんとにね。」
「じゃあ、前世の方の自己紹介としようかな。
栃木の私立稲葉高校2年でその後こっちに来たかな。
因みにこいつとは従兄弟同士だったよ」
「俺もこいつと同じ高校で3年だった。」
「通りで伊織さんと架音は仲が良かったんですね‥‥‥‥‥」
「気色悪いからやめてくれ‥‥‥‥この愚従弟と仲が良いなんて」
愚弟とか愚妹は聞いたことありますが、愚従弟って初めて聞きました。
「えっと‥‥‥セントマリア音楽学院の初等科6年でした」
「6年生ってことは12歳‥‥‥‥若いね」
「あ、11歳です。早生まれで誕生日はまだだったので‥‥‥‥
それに、事故死でしたから‥‥‥‥」
「「・・・・」」
空気が重苦しいです。
私のせいなのは分かりますが、落ち着きません。
「セントマリア音楽学院ってかなり有名な所だよね‥‥‥‥
前世もお嬢様だった?」
「今と比べればそこまで‥‥‥‥」
「今は特殊だよ」
そう言って話されたことは此処は女性向け恋愛シュミレーションゲームの中で、
わたしがライバルキャラと言いました‥‥‥‥ってえぇ!?
「ちょっと待ってください!」
驚きすぎて起き上がったけれど身体の不調には負け
ふらふらとしてしまうのを架音が支えてくれました。
「ど、ッどういう意味‥‥‥ですか!?」
「落ち着いて・・・体に負担がかかるよ。」
「今かけているのは架音だぞ。」
伊織さん、貴方もその一部です。
「悪役キャラがヒロインっていう変わったゲームでね、
ギャクみたいなものだったんだ。それで有理亜は伊織を攻略する際のライバルキャラ。」
「ちょ、ちょ‥‥‥‥わたしまだ伊織さんに会ったばかりですよ?」
テンパりすぎて変になった気もしますが、
そんなことはどうでもいいです‥‥‥‥!
「あー‥‥‥なんかどこかで婚約者になると思うよ。」
嘘でしょうという意味を込めて桜宮さんの方を向いたけれど首を横にふられました。
本当ですか‥‥‥‥‥
「成る程‥‥‥‥取り敢えずバッドエンドにさせれば良いのですね。」
「まぁ‥‥‥‥そういうことだ。
向こうのバッドエンドは此方にとってはハッピーエンドだ。」
どういうゲーム何ですか、それ。
そう思いながらこれからのことを覚悟しました。