2:魔装機研究機関
魔装機研究機関。
通称魔装研機関と呼ばれる施設のことだ。
全世界にある魔装機を研究・開発・メンテナンスなどを行う専門機関であり、世界有数の研究機構なのである。
魔装機と呼ばれるものは主に古代に使われていた遺物、魔道神機。
この魔道神機を呼ばれる古代兵器を人為的に改造し、よりよく使いやすくしたものが魔装機と呼ばれるものである。
魔装機には主に4種類の部類に分けられていて、兵装魔装機、機動魔装機、守装魔装機、そして最も一般人に普及している生活魔装機が現在知られている主な魔装機である。
魔装機にはいまだ知られていないことが多く、古代の歴史や技術などを発掘するものまた彼らの役目の一つである。
魔装機研究機関は、主にそれぞれの管轄が決まっており、実験施設、研究施設、開発・発掘施設の3つに分割されている。
ジンは研究施設と開発・発掘施設を行き来する苦労人だ。
その建物の前を慌てながら走っていくジン。
自動ドアが開き人混みの中を掻き分けて進んでいく。
「わぁ!ごめん!急いでるんだ!うわっと!ご、ごめん!」
途中すれ違う人に何度も衝突しそうになり謝罪を述べながら走っていく。
「よし!エレベータに乗れば!」
目の前にエレベータを発見し速度を速める。
だが、そのせいで横から出てきた研究員に気づくことができず
「え?あ!ごふっ!?」
「きゃあ!」
エレベータの前に差し掛かった時盛大にぶつかった。
その際に大量の資料がジンの上にのしかかったものだからたまったものじゃない。
すぐさまその場にいた全員でジンの救出が始まった。
時間が数分経過した後。
ようやく書類の山から救出されジンは一息つく。
「いってて・・・あ、ゴメン!ケガない!?」
「大丈夫、こっちもよそ見しててごめんね・・・そっちこそケガないの?」
一通り互いにケガがないかを確認しほっとする。
だが
「そういえば、ジン急いでたでしょ?何か用があったんじゃないの?」
「え?・・・うわ!いけない!それじゃ、またね!」
自分の目的をすっかり忘れていたのである。
知り合いの研究員に手を振り、ジンは目的の場所へと急ぐのであった。
魔装機研究機関、3F、研究長室前。
時間ぎりぎりで部屋のドアを叩く。
中から「はいりたまえ」と声がする。
「教授、遅れてすいません!はぁ、はぁ・・・」
肩を揺らしながらジンは目の前にいる初老の男性に謝罪を入れる。
教授と呼ばれた初老の男性は優しく微笑みながら目で座りなさいと訴える。
「失礼します」
呼吸を整えて部屋に入りそばにあったソファに座る。
男性も手に持っていた書類を置き反対側のソファに座る。
「今日はやけに遅かったじゃないか、何かあったのかい?」
「すいません、ライル教授・・・魔装機の整備をしてたら夜が明けてて・・・」
「はははは、君らしいねジン君」
と他愛もない話を続けていく。
ライル教授と呼ばれた初老の男はジンに話をしては笑っている。
「教授、そういえば前に頼まれていた魔装機のテスト終わりましたよ」
「おぉ、手間をかけさせたね。ありがとう、明日には持ってきてくれるかい?」
「もちろんですよ。明日には提出できると思うのでここにサインを」
「はいはい、サインね」
ジンが持っていた紙に教授はスラスラと自分の名前を書いて行く。
自分の名前を書き終えるとジンにまた手渡す。
ふと思い出したようにライル教授は言った。
「そうそう、私は今から王宮に技術者を代表して参加することになった」
「え!?バルサリア王宮直伝ですか!すごいじゃないですか教授!」
心底驚いた様子でジンは言い返す。
バルサリア王宮に招待されるのは一部の人間だけと決まっている。
それに選ばれるのは名誉なこととなるのだ。
「じゃあ、少し出かけてくるよ。式典には2,3日かかるらしいがみんなには内緒だ、いいね?」
「はい!」
教授はジンに部屋を任せると荷物をまとめて出ていった。
ジンは知らなかった。
この後会うこととなるライル教授の変わり果てた姿を。
そして自分が壮大な陰謀に巻き込まれることなど・・・




