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異世界で感謝される

初ライブが終わってから3週間がたった。その間に長老たちが家を用意してくれたり、ハルさんを護衛につけてくれたりした。私の聖女の力は、歌うことでバフをかけることができるということも判明した。歌うことで傷を治したり、干からびた大地を緑でいっぱいにしたり、いろいろできた。

「今日も迎えありがとうございます。ハルさん。」

「おう!」

長老たちがいつも集まっている建物に行くときは、いつもハルさんが迎えに来てくれた。

「いらっしゃい、美咲様。」

そう出迎えてくれたのは、鳥族の長老、ネモさんだ。

私は、聖女様と呼ばれるのは少し恥ずかしいので、名前で呼んでほしいというと、様はついたままだが名前で呼んでくれるようになった。

「今日は何をしたらいいですか?」

「今日はもうやることはないんだよ。この三週間美咲様が頑張ってくださったからね。だから今日は街を見て回ったらどうだい?」

「お役に立てたようで何よりです!ずっとどんな店があるのか気になっていたんで、ちょっと楽しみです。」

「そしたら俺が美咲を護衛しよう。」

「そうしてくれ。」

「では行ってきます。」

ガチャッ

「くっつけ作戦成功!だな。」


それから私は、ハルさんに護衛についてもらって街を回った。

「このとても大きな店はなんですか?」

「防具屋だな。騎士団もここから防具を買っている。」

「この店は?」

「道具屋だな。冒険者がいろいろな道具を買える場所だ。」

その言葉を聞いた瞬間私の目はキラキラした。

「この世界って冒険者がいるんですね‼」

「あぁ、いるぞ。騎士団は、長老の護衛とかもあるから人手が足りないんだ。だから、冒険者がいる。」

「そうなんですね、さすが異世界です。」

「なんか冒険者に憧れでもあるのか?っと、危ない。」

その瞬間ハルさんに引き寄せられた。

「きゃっ。」

「すまん、お前にぶつかりそうなやつがいたからつい...っ!す、すまん。」

ハルさんが私を離した。

「い、いえ。ありがとう、ございます。」

ハ、ハルさんの体ってこんなに硬いんだ。筋肉がすごかった...

美咲の顔は赤くなっていた。そして、ハルも。


日が暮れたころ、いろいろな屋台が並んでいた。

「今日は何かあるんですか?」

「ついてきてくれ。」

「?はい。」

着いたのは、私が初ライブで使った台だった。

「ここに上がってくれ。」

「はい。」

私が上がると、街にいる全員が片膝をついた。

「「聖女様、この街に来ていただき感謝します。我らに笑顔を戻してくださりありがとうございます。」」

屋台が並んでいたのは、私に感謝を伝えるために楽しんでもらおうとしたからだそうだ。

「ありがとうございます。こんなふうに、感謝を伝えてくれてとてもうれしいです。これからも、どうか私の歌を聞いてください!そしてたくさん、笑顔になってくれたらうれしいです!」

それから私は獣人の皆さんが準備してくれたいろいろな屋台を楽しんだ。


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