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第十三部 二人目の 第四章

「今日は学校行くんでしょ? 」


 などと誠が話す。


 どうやら、大輔さんの車で送ってくれるみたいだ。


「いや、それなら、私が送ろう」


「なんで? ……私が送るんだけど……」


 隆史おじさんが彩に何か言われたら困るのか? 


 必死になって自分の自動車を出そうとしたら大輔さんの重圧が来る。


 一応、市長だしな。


 微笑んでいるけど、微妙に圧をかけている。


「いえ、市長にご迷惑をかけれません」


「なら、君も乗るか? 」


「いや、それは……」


 隆史おじさんが黙る。


 ミニバンなんで皆が乗れてしまうのだ。


 それでちらちらと隆史おじさんが爺さんを見た。


 爺さんなら助けれると思ったらしい。


「まあ、送ってもらうだけなら良いじゃないか」


「ええ? 」


「彩ちゃんなら、変わらんよ。誰が相手でも」


 などと身も蓋もない話を爺さんがしやがった。


 まあ、その通りだけど。


 そして、これが藪蛇を呼ぶ。


「それなら、私も一緒に行こうかな? 」


「え? 」


「げ? 」


「は? 」


「いや、お姉ぇの車は向こうにあるじゃん」


 などと皆が嫌な顔をした上に香織まで陽菜さんに突っ込んだ。


「どうせ、ここにまた来るし、良いじゃん」


「あぅ」


 大輔さんが初めて困り果てた顔をした。


 やはり、陽菜さんは結構、面倒くさいと言う意味でラスボスなのだろう。


「どうせ、神楽耶君が派閥に関わっているから、雪ネズミの奴は市長の家にも行くでしょ。ついでに話がしたい」


「えええ? 」


 さらに大輔さんが藪蛇になったと言う表情を出す。


 だが、そこは政治家で、即座に消したが。


「そろそろ香織も行かないと駄目でしょ? じゃあ、こっちで行こうよ」


「お姉ぇの車は? 」


「どうせ、後でまた来るし」


「また来るの? 」


 香織が驚いた。


「いや、当分、この辺のホテルに滞在して監視って爺さんに言われてる」


 こっちの爺さんは自衛隊情報保全隊の妖特科のトップの人の話だろう。


 隔世遺伝なのか、お父さんにはその強さの遺伝は現れなかったらしい。


「うちは流石に泊めれんぞ」


「だと言うと思った。まあ、神楽耶君を襲っちゃうかもしれないし」


「お姉ぇ! 」


 彩が殺気立つので香織がキレる。


 多分、皆が嫌がるのはそういうとこだぞって言いたくてしょうがない。


 それで大輔さんが乗せてくれると言う事で、俺は制服に着替えて自動車のところに戻った。


「本当にブレザーだね。似合っているし」


 などと今更ながらに陽菜さんが俺に言う。


「ごめんね。お姉ぇは高校でずっとジャージだったから、プレザーとか憧れてんだ」


「なぜ、ジャージ? 」


 香織の話で不思議にそう思った。


「すぐ情報保全隊の妖特科に呼ばれても良い様に制服着ないでジャージでいろって爺ちゃんに……」


「それは酷くない? 」


 などと彩が言った。


 まあ、ある意味人権問題だよな。

 

 聞いていてそう思う。


「いや、お姉ぇがたびたび破れる制服で親に怒られて、自分でジャージを希望したから」


 香織はそう言うが、ちょっと、それはそれで可哀想だった。


「いや、どっちかってーと私の高校はセーラー服だったからね、今時。だから、ブレザーに憧れてた」


 それで陽菜さんが苦笑した。


「まあ、とりあえず。高校に間に合わないとまずいので……」


 それで大輔さんがドアを開けてくれたので皆で乗り込む。


 本当は彩と話したいのだけど、もどかしそうにしているのが分かる。


 よほど、二代目俵の藤太のファンだったんだなと……。


 間宮さんの出来る部下さんと話が合いそうだ。


「さて、車に乗ったから話すけど……」


「つまり、御前が動くかもって事ですよね。特に彩が戦う前後がやばいと……」


「ふぁぁあぁ? 」


 俺の言葉に陽菜さんが変な声を出した。


「いや、だって爺さんが警戒してんだから、動きそうなんでしょ? そういうタイプなんだと思う。御前が。それで、多分、それを良く知っている爺さんと恐らく自衛隊の情報保全隊の妖特科のトップのお爺さんも御前を良く知っていて、同意見なんでしょ? 」


「うわ! 頭が回ると聞いてたけど! 」


「いや、爺さんと一緒に住んでいるんだから、分かりますよ」


「あーあーあー、駄目な方と似ちゃった」


 などと陽菜さんが心臓に来る言い方をした。


 イラっとしたので思わず思ってた話を突っ込む。


「ぶっちゃけ、俺の父さんのことを憧れてたのかなんかなんですよね」


「はあ? 」


 それで陽菜さんが少し赤くなる。


「やっぱりな。普通二代目俵藤太がヒーローなら、そのセコンドの人なんて見てないし覚えてないもの」


「うわ、マジか」


 などと陽菜さんが呻く。


 皆が俺が当てたと思って驚いていた。


 でも、だと思ったよ。


 それで俺にもチョッカイ出してくるんだ。


 やれやれ。


 それにしても、良かった。


 多分、昔は今みたいな性格してなかったんだ。

 

 告白してないみたいだし。


 それで良かった、これがお母さんはちょっと。


「何? 私があんたの母親だと嫌だってか? 」


 それを察した陽菜さんに先回りして言われる。


 いや、皆が嫌うのは、そういうとこだと思う。



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