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第十二部 大ムカデ 第二章

 祖父が家が火事と言うので慌てて帰ってきた。


 屋敷の前側がかなり消失してしまい、俺も申し訳なかった。


 だが、焼けた後の材質を見たら、どうもおかしい。


 焼けたあたりまでは木材だが、途中から燃えない材質で出来ていた。


 それで玄関とかその辺りは燃えてしまったが、建物の本体は無事と言う異様な感じである。


「材質が違うんですけど……」


 まあ、俺がやったわけではないので俺が謝る事ではないが、そんな風に家がなっていると思わず、それで爺さんについ言ってしまった。


「ああ、古い家を買って、それで半分ずつ直したんだ。いろいろと経費も抑えれるしな。どうせいつかは御前絡みで焼かれるだろうと思っていたので、保険にもちゃんと入っているし。このさいだから、前側も燃えない材質に変えよう」


 などと爺さんは他人事であった。


 平然としているとこは相変わらずで動じないなぁ。


「それよりも、彩が俵藤太の血筋って知ってたの? 」


「ああ、あの大ムカデに会ってしまったんだったな。可能性としてあれを彼らが連れてくるとは考えていたが、お前が戦うよりは彩ちゃんには悪いが、そちらの方が良いかもしれん」


「はあああああああ? 素人だぞ? 彩は? しかも女の子だし! 」


「お前が戦うよりは良い」


「校舎みたいになるってか? 」


「もっと酷いことになってもおかしくない。いろいろと血筋が複合しすぎて、何か方向性が違う方に出ている。まあ、別に人体実験みたいにしたわけじゃなくて、自然とそうなったんだから仕方ないがな」


「どういう意味? まさか戦闘型を狙ってたと言うわけでは無いのか? 」


 俺が爺さんにムッとして聞いた。


「どちらかと言うと精神コントロール系だ。願ってたのはな。もっとも、たまたま息子の相手の血筋でそれだと良いなって思ってただけだけどな。もっとも、お前があちこちでカリスマ的に人気があってってのはかぐや姫様の影響もあるが、お前の精神コントロール系と言うよりもカリスマ性が出てんだろうけどな」


「なんだか、微妙なモノ言いですね」


 横で間宮さんが愚痴るように話した。


 火事の後の消防署の調査とかいろいろ提出書類があるのを、公安の天狗さん達が助けてくれているので、それで皆は家の周りにいた。


 間宮さん的には、早くいろいろな申請とか済ませてたから、それを終わらせて彩の問題を何とかしないと言う事らしい。


 ただ、彩は頑固だからな。


 こうと決めたら引かないし、戦士としての戦いを言われたら引くかどうか。


 如月家でもお父さんより決定権を持ってたりするから。


「まあ、如月家はお前の親父と親友になった時点で、どこかでこうなるのは分かっていたと思う」


 などと爺さんが意味深に言う。

 

「16歳の娘に戦闘をさせる気か? しかも、今回は40メートル近い大ムカデだぞ? 」


 俺がブチ切れて言った。


「いや、多分、戦闘力的には<(わざわい)>と変わらんと思うぞ。<(わざわい)>はあれはあれで暗殺では鬼でもトップだったし。あれとやれて大ムカデとはやれないってのも変な話なんだがな……」


「はあ? <(わざわい)>は! 」


 とまで言って、そう言えば、相当やばい奴だったのを思い出す。


「まあ、我々の見立ても人の身体に隠れれるし、移動できるし、トータルでのヤバさは大ムカデと変わらないと思うんですよね。実は……」


 間宮さんが爺さんの話に同意するとは思わなかった。


「わしもあまり変わらんと思う。正直、攻撃をちゃんと考えて動いてたら、彩が勝ってたと思う」


 柴吉もそんな事を言った。


「いや、それは……」


「牙だけ狙ってたろ。普通は身体の関節部を攻撃すると思う。あの、敵の強いところを叩くって考え方はどうにかならんのかな? 彩の師匠の考え方らしいけど……」


 柴吉に言われてぐうの音も出ない。


 そうなんだよな。


 彩の師匠が昔、古流一本だった時に、ボクサーとやり合って、古流だけの時は師匠の技がまだテレフォンパンチだから、良いようにやられていて、それでよりにもよって、相手の拳を正面から自分の拳を犠牲にして相手の拳を破壊するような攻撃をして勝ったって話から、ずーーっと、そう言うのばっかりしたらしいから。


 そりゃ、ボクシングって本来バンテージ巻いてグローブをつけて殴るものだから、拳は鍛えないし。


 そういう無茶苦茶な戦闘理論で勝ってしまうから、余計に彩はあこがれるらしい。


 それって、どうなのとは思うが、いくら何でもなのだが、相手の一番強いものをこちらが破壊することで戦意を折るとか無茶苦茶言っているらしい。


 あまりにも脳筋ではと思うのだが……。


「毒と火炎攻撃はちゃんと避けていたんだろ? ならばまず負けないと思うがな……」


「高校一年生の女の子なんだけど……」


 爺さんのあまりの結論に呆れたように突っ込んだ。


 でも、間宮さんも柴吉もため息をついていた。

 

 実際に彩は強いからなぁ。


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