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第十部 ファンクラブ 第八章

「キャー! 」


「キャー! 」


 とかお手伝いさん達に叫ばれてもう意味不明だった。


「いや、こないだ、ここに来た時には誰も騒いでませんでしたよね」


 俺が誠に聞いた。


「いや、曾祖父がそういうのに厳しくて怒るので、今は酔っぱらって寝ているから……」


「えええ? 」


「こないだも神楽耶が帰った後に凄かったんだから、キャーキャー言って」


「ど、どうして? そんなの無かったのに……」


 などと俺が動揺して聞いたら、誠がちらりと彩を見た。


 ふあー。


 彩が怖くて接触できなかったと……。


 覇王如月かぁ、ずっと横にいるもんな。

 

 実際、あんまり俺がキャーキャー言われてんのを良い顔をしてない。


「ちょっと、全部削除していただけますか? 」


 異様な迫力で間宮さんが話す。


 それで現〇猫と言う名ばかりの猫がびびってヨシ! を繰り返す。


「いや、だから消してくれ。申し訳ないけど、神楽耶様が妖の王に決まったら、構わないから」


 横の間宮さんの出来る部下さんがそう言って、消すように促した。

 

「逆に神楽耶さんが表でも注目され過ぎたら、命が危ないんです」


 などと間宮さんが再度厳しい口調で話すと、現〇猫がびびりまくって、大きなモニターの画像に手を触れた。


 その瞬間に、今まであった俺のデータが削除されて消える。


 ふぁー、結構、ネットから産まれた妖と言うだけあって凄い。


 触れるだけで全部完了なんだ。


「これで大丈夫だな? 」


「ヨシ! 」


 間宮さんの部下に念を押されて、あのポーズである。


 変なとこから産まれてきたせいで、あのポーズだけはしないといけないらしい。


 ビビりまくっているのが分かるので、ちょっと気の毒ではある。


 そして、キャラクターの問題から、そのヨシも少し不安であった。


「じゃあ、ちゃんとしたセキュリティのある仲間だけのサイトにしてかぐや姫のNPOですれば良いではないか。多少の会費をいただいて運営すれば良い」


「はあ? 」


「えええ? 」


 いきなり、またしても律蔵爺さんがいつの間にかいる。


 本当にどこにでも現れるし。


「爺さん、どこから来たの? 」


「いやいや、一応、ネットのエゴサとかしている専門の人員を雇っていてな。それでここから登録されたと言うのをクラッキングで見つけてもらってな」


「それ違法じゃないですか」


「いやいや、弁護士を通して開示要求とかやれば時間がかかる。そういう凄腕の人を実は昔から雇っていて、神楽耶に関する情報は消してきた。今回は非常にレベルの高い形でクラッキングされたので、妖関係ではないかと言う事で調べてもらったのだよ」


「それ……クラッキングした人は人じゃないでしょ? 」


 俺が爺さんに突っ込んだ。


「おお、分かるか。ちゃんとしたネットから産まれた妖じゃよ。そこの現〇猫と同じじゃ」


「やっぱりか……」


 もう何も言うまい。


「じゃ、じゃあ、NPO内でのファンクラブ結成で良いんですか? 」


 などと女中さんの代表のような人が震えるような嬉しそうな顔で聞いた。


「もちろんじゃ。キャラクター料はいただくが、かまわんぞ? 」


「やったー! 」


「万歳っ! 」


 などと皆が喜んだ。


「それにしても、なるほど、T市の町おこしとはな。あの松宮先生とかなかなか良い視点をしているではないか」


 などと信じられない話を爺さんがしだす。


 俺も間宮さんもドン引き。


「な、何でお爺さん、知ってるの? 」


「わしも影法師を使えてな」


 などと話すと、爺さんの背中からひらひらの法師姿の黒い紙がぴらぴらと出てくる。


「まさか、こないだの話はっ! 」


「自作自演ですか? 」


「いやいや、あれは誰ぞのだろう。はっきりとは分からんが。術としては式神の付喪神としてはあるのよ。影法師」


 どうにも信用できないが爺さんが苦笑して話す。


「胡散臭いなぁ」


「わしはお前が何の妖なのか知っているし、だから、そんなの探らなくても良いではないか」


「やれやれ。しかし、かぐや姫様と全く伝承とか関係ないT市にかぐや姫様のマークですか? 」


「神社はこの市に作るぞ? 」


「は? 」


「え? 」


「その為に休眠中の宗教団体を買ったりしていたのだ。かぐや姫様には末永く、うちの神楽耶を守ってもらわないといけないからな。それで用地も建設も始まる。すまんな。それをしてなかったら、もう少しお金があれば山の削れた部分の修復で、柴垣家に頼らなくても良かったのだが……」


「……もう、ぐうの音もでない」


 俺が震えたように座り込んだ。


「ふむ、わしの考えが分かるか……」


 などと爺さんが苦笑して俺を見た。


「そのネットから産まれた妖って、ネットでT市にかぐや姫の伝説みたいなのをでっちあげる為に雇っていたんだろう? 」


「流石じゃのう」


「もう、いいや。勝手にしてくれ……」


 俺ががっくりと項垂れたのに、女中さん達とか大喜びしていた。


 そんなファンクラブとか嬉しいか? 

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