表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

56/115

第九部 柴垣家 第二章

「まあ、別にしても良いですけどね。準備は簡単だから」


 などと誠が話す。


 簡単だからって……なんなんだろう。


 そもそも、招待された側なのに。


「おねぇさぁ、悪いんだけど、そう言うとこが皆から問題になってんだからさぁ」


「だって、私、三等陸佐だもん妖特科のナンバー三だし」


「いや、そういう態度が駄目でしょうがっ! 」


「末の妹に注意されたくないな」


「だからっ、そういうノリは駄目なんだってばっ! 」

 

 いや、結構、ノリで言うなら香織もそんな感じだぞと。


 まあ、突っ込まないけど。


「俺は別に簡単で良いよ。食事もそんな豪勢なのはいらないし」


「いや、妖の王の候補を迎えて、それはないですよ」


 などと、市長の柴垣大輔がそう騒ぐ。


「いや、あくまで雰囲気を見るための一日仮派閥ですから」


「おねぇさんが推しているから決まりよ、決まり。あ、そうだ。逃げれないように間宮さんも呼ぼうか? 」


「良いですね」


 市長の柴垣大輔さんが盛り上がる。


「いやいや、ちょっといろいろいと爺さんが脅してますし、間宮さんは俺推しで後悔しているだろうから、それは……」


「言うほど後悔しとらんじゃろ」


 などと柴吉が横から話しかけてくる。


「いや、でも、妖の城の為に貯めてたお金を使わせちゃったし」


「先行投資だと思え。そう思うなら、お前がちゃんとしたら良い事だ。こないだ貯金通帳を身を削るようにして貯めて、妖の王にってお前に持ってきた妖もいただろうが」


「いや、あれは妖の城の修理で……」


「同じだろ。それだけお前が沢山の妖の期待を受けているということだ」


 ううむ、柴吉にそういう風に言われるとは。


「だけど、まだ候補だし? 」


「ほぼ決まりだと思うがな? 」


「なんでよ! 」


「だって、一条覚と戦えそうなの、お前しかいないし」


「あっ、馬鹿っ! 」


「え? 一条覚? 」


「あの御方は<ひとつ>に脅されて、妖の王の候補は降りたられたのでは? 」


 俺が叫ぶより早く、柴垣誠と柴垣大輔さんが驚いた顔で聞いてきた。


「ああーああ」


 陽菜さんがゴンゴン柴吉の頭を叩いた。


「ええと、聞かなかった事にできませんか? 」


 などと俺が話す。


「いや、派閥に入られるなら説明していただかないと」


「いや、1日仮派閥ですから」


「次から次へと、この数日で凄い話が出てくるね」


「ああ、やはりか。律蔵が動いてたのはそういう意味か」


 などと、いきなり奥のふすまが空いて、柴垣龍二さんが出てきた。


「何か、知っておられるので? 」


「御前絡みしか律蔵があれほど必死になるとは思えんからな。同じ側近だった仲間を全部殺されているし」


 次から次へといろいろな話が出てくる。


「そんな話があったんですか? 」


「極秘と言うよりは皆が御前とは怖がって関わらなかった。律蔵は仲間が殺されたから、それで許せなくて動いている。何か知っているんだと思うが……。そうか、孫を使うか……。その誰もが恐れる怪物に戦おうとする事は立派だが、本当に孫とか巻き込むのはどうかと思うがな。息子も良い奴だったせいで巻き込まれて異界に行ったままだし」


「ほあああ? 俺の父さんってそんな感じなんですか? 」


 そうしたら、龍二さんがコクリと頷いた。


「超やばい大妖のとこに婿養子で出て行ったんだっけ? 」


「うわ、バレバレですか? 」


「まあ、見初められたんだけどね。なかなか、付き合いだしたきっかけは良い話らしいよ」


「いや、それは先に言われちゃうと、わしが祖母君と母君に殺されちゃうから」


「ああ、殺しはしないけど、半殺しはあるかもね」


 などと陽菜さんが苦笑したら、柴吉と何故かミケが恐怖からか毛を逆立てた。


 いや、やっぱり、ミケは爺さんの手駒じゃん。


 内情を知らないと、そういう風にならないし。


「まあ。だから、この美少女の神楽耶君と私がくっ付くのも有りかと思うんだけどね」


「ふんがぁぁぁ! 」


 座ったまま、彩がまたキレて陽菜さんを殴ったが、今度も手のひらで受けたけど痛かったらしくて、手をプラプラさせている。


「いや、二人ともは親友だからからかわないでって言っているのに! 」


 香織がそう陽菜さんに文句を言った。


「ほう、三等陸曹に友達とまで言わすか。あの爺さんの孫なのに性格が良いのは息子さん譲りだな」


「いや、我らの主になるかもしれないのに、その態度は? 」


「今しか言えんだろ? 彼が偉くなったら雲の上の御方だぞ?  」


「無いと思いますけどね」


「律蔵は君の祖父なんで、申し訳ないけど、本当に人を嵌めこむ糞野郎でな。それでも、いろんな要所要所を抑えているから、付き合わざるを得なかったんだよ。その孫が我らが主になりそうだからな。私としても複雑だ」


 龍二さんがそう呻く。


 非常にろくでもない話だ。

 

 でも、それは同感だったりして。

 



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ