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第八部 渡辺陽菜 第六章

今日は神社にお参り行ってからか、寝正月のどちらかだから昼に更新にしました。

「ほぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん! 」


 腕組みしたまま陽菜さんが俺をじろりと見た。


 そう言われても、大事な大事な古くなった妖の城をコツコツ貯めた金で直そうとしてた間宮さん達から爺さんが強請ったとは言え、それを出してくれて直してまでしてくれて隠蔽された話である。


 俺が言うわけにいかない。


「一応、香織からの報告書に、噓を言うと頭を掻く癖があるってあるんだけど」


 そうじろりと見たまま俺を見ていた。


 香織がぁぁぁ?


 あいつ、結構、観察眼があったんだ。


 まあ、そうでないと、自衛隊の情報保全隊になんかに配属できないか。


「申し訳ないですが、いろいろとしがらみがあって言う事は出来ないです」


 そう俺が答えたら、陽菜さんと睨み合いになった。


 しばらく、双方が無言になる。


 こちらも引くに引けないので無言のまま睨み合っていた。


「まあ、美少女だから仕方ないか」


 そう、ふっとため息をついて宣った。


 なるほど確かに香織の姉だ。


 間違いない。


 そっくりだ。


「本当にお姉さんなんだ」


 などと彩も隣でつぶやく。


「え? うちの妹ってそんな感じなん? 」


「「結構」」


 それで微妙な空気が流れた。


 だって本当だもんな。


「そっかぁ。まあ、君達は妹の友達でもあるからね。ただ、今回は人が死んでないみたいだから、適当に誤魔化しとくけど、人が死んだらどうしょうもないからね。その辺りは気を付けないと」


「いや、ガス爆発です」


「<(わざわい)>が潰れてたのは? 」


「ガス爆発です」


「山まで引き裂かれているように何かが着弾しているのと、クレーターは? 」


「ガス爆発です」


「……」


「俺は巻き込まれただけですから」


「貴方のお爺さん、そっくりだね」


「くはぁぁぁ! 」


 そう言われて初めてのたうち回った。


 似ているのか、あれに。


 すべての責任を俺に振って逃げる、あの爺さんに。


「あの……神楽耶が死んじゃうんで、それは言わないであげてください」


「私からもお願いします」


 柴吉と彩が真顔で言うので、真面目に陽菜さんが面食らっていた。


「で、どこに行くの? 」


「家に帰ります」


 俺がそう答えた。


 メンタル的にとても持ちそうにない。


 あの律蔵爺さんに似ているのか俺……。


 自分でも分かるくらい顔が青い。


「いや、どこかに出かける感じだったじゃない? 」


「もう、良いです」


「そんなショックなんだ。律蔵さんに性格が似ているのが? 」


「ひぃぃいいぃぃぃぃいぃぃ! 」


 俺が悲鳴を上げる。


「あーあー、せっかくの美少女が台無しだ」


「男ですから……」


「しやーないね。じゃあ、今日、挨拶ついでに市長の柴垣大輔さんの柴垣家に行くから一緒に行くかい? 人が少し増えてもいいって言ってたし、多少は御馳走が出るみたいだから」


「は? 」


「え? 」


「なんですとにゃん? 」


 全員が唖然とした顔をした。


「なんで、驚いてんの? 」


「いや、自衛隊は妖の敵という認識が妖にはあって……」


「そりゃ、もしもの時は日本人を守らないといけないから妖とだって戦うってだけで、別に大日本帝国の時は外国と一緒に戦った仲間じゃん」


「いや、そういう視点もあるのか……」


 ミケがにゃん言葉を忘れている。


「まあ、確かにそう言う視点を持つものもいるけど、外国との問題が起こった時は妖も日本に住むもので、日本人と変わらんからな。それで公安とかも妖関係が入り込んでいるし、柴垣家も議員とか市長やっているし」


「県知事もこの県は妖じゃん」


 などと陽菜さんが言いきっちゃう。


「いや、そう言うのって知られてるんですか? 」


「極秘だよ。あくまで政府と公安と自衛隊の情報保全隊とかの上層部だけ知っている。妖は妖の城が出るまでは世間に認知されないからね」


 などと陽菜さんが話す。


「まあ、妖だって知る前は俺も知らなかったし」


「だから、君が香織の事を知っているのも不思議なんだよね。妹が喋るはず無い……と信じたい……」


 などと途中で言葉を変えた。

 

 まあ、自分で叫んでたから、そりゃ、無いとは言えないんだろうな。


 身内なら分かるし。


「まあ、今、一番の妖の王の候補の子を連れて行ったら、まあ柴垣家も喜ぶだろうし。候補の中で断トツで、政府もほぼ視野に入れだしているらしいから」


「間宮さん……」


 思わず、その心労を考えてつぶやいてしまう。


 最初にウキウキで俺を上に推すから、そうなる。


「まあ、公安の間宮さんが推しているのも大きいけど、うちも実は推してんだよ。君の事。何しろ護衛としてうちの妹を付けるくらいだからね」


「は? 」


「頭がよくて、かぐや姫の加護があって、二代目<婆娑羅(ばさら)>が推している。まあ、君は戦闘タイプだったんだろうけど、それを入れても、うちも君を推している」


「なりたくないんですが……本気で」


「そういうところが推されてんだけどね」


 そう陽菜さんが苦笑した。


 ちっ、またしても、自分を等身大に見えるとかって奴か。


 ちくしょう、消極的なのが良いとかおかしくねぇ?

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