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第七部 覚 第七章

「まあ、神楽耶さんには申し訳ないけど、最初に言っていた通り、人と妖の革新なら言うほど問題ないと思いますがね。不死と言うのは気になりますが。それでも、それだけです。どっちかってーと、それの対抗で容赦なく孫を改造する悪魔の方が問題あるのではと……あ、いや、律蔵さんですが……」


「そうですよね。どっちかってーと、そういう事を平気で出来る感覚の方が信じられない」


「真面目に糞ですよね」


「見た目は好々爺なのに実態は最悪ですからね」


 などと間宮さんの結論に公安の人達から罵詈雑言が続く。


 とは言え同感なのだけど。


「全部説明してないよね。はぐらかしているよね。お爺さん」


 などと如月彩が結構良い所をついている。


「まあ、あれじゃあ、何が言いたいのか分からんしね。単純に孫を対抗して弄りましたって言っているだけだし。くそぅ。段々腹が立ってきた。ずーーーっとあれだからな」


 俺がギリギリと怒る。


「いや、我が君には本当に同情しますが……。どうなんでしょうね。複合型って……。正直、訳が分からないんですが……」


「いや、俺だって訳が分かんないですよ」


「お爺さん、これと決めたら徹底的だもんね」


「犠牲を気にしないのは本当に困るんだけど。犠牲になるのは俺だし」


「逆に、<婆娑羅(ばさら)>様とかかぐや姫様とかならご存じですかね? 」


「あの御二人は全く教えてくれないです。まれに警告してくれるだけですし」


「困ったもんですね」


「いや、本当に……」


 真面目に俺も間宮さんも、ここの公安さん達も被害者で間違いないから、爺さん対する気持ちは変わらないと思う。


「おーい、帰ったにゃん」


 窓にいつの間にかミケがいた。


 皆が妖だと知っているから、普通に喋りやがった。


「……あの人がか? 」


「そうにゃん。帰ったら主に知らせてくれと言われたにゃん」


 などとアコギなくらいに可愛らしい顔をしていた。


 こいつも信用できないからな。


「お爺さんに頼まれていたにゃん。多分、なんかあって逃げるつもりだろうにゃんと思っていたにゃんが、やはり逃げたにゃんか」


「なんで、彼はこんな風に露骨に可愛いアピールしてんですか? 」


 などと間宮さんが露骨に聞いてきた。


「いや、神楽耶が妖の王になったら、昔みたいに自分の社を建てて欲しいとおねだりしているから」


「まだ、そんなこと言ってんの? 」


「なんか、相当やばい化け猫なのに、可愛い子ぶるのってキモイんだけど」


 などとミケの評価が間宮さんの部下からもぼろ糞であった。


「なんか聞いている? 」


 俺がそれでミケに聞いた。


「余計な事は聞かない事にしてるにゃん。結構やばい話にゃん? 」


「なんでわかる? 」


「こちらに頼みごとをする時は大体やばい話にゃん」


「そんなヤバい話を頼まれてするんだ」


「遠くから確認しただけだからにゃん。自分の身を大事にするのは基本にゃん。ただ、こっちが凄い遠くから見てたのに気がついてたにゃん。あれはやばいにゃんね」


 などとミケがしみじみと話す。


「え? あなたは隠密には長けてましたよね」

 

「たしか、そのはずですが」


 などと間宮さんの部下が騒いでいる。


 まあ、そうでないと寝ている人間に次々と噛み殺したネズミを咥えさせれないか。


 なるほど、それで監視を頼んだのか。


「授業のスケジュールの話が終わったみたいです」


 こちらに聞こえるくらい、外から間宮さんの部下がドアをノックして話してきた。


「ああ、香織と有希が迎えに来たんだ」


 気配で彩が察したらしい。


 だから、それが分かるようにノックしてこちらに知らせてくれたのか。


 それでミケがするっと窓から出て行った。


「終わっちゃったよ」

 

 ドアを開けて香織と有希が話す。


「なんか話題だよ。私も見たかった。お姫様抱っこされている神楽耶を」


「尊いって話題だよ」


 ああ、そうか、そうなるよなとため息をついた。


「まあ、我々の方でもいろいろと調べておきますから」


「止めておきましょう」


 間宮さんが元気づける為か言った言葉を止めた。


「なん…… 」


 と呟いた後に間宮さんが黙った。

 

 俺が危険すぎるって思っていると分かったみたいだ。


 あの爺さんですら、警戒しているのに、間宮さんとか申し訳ないけど無理だろうと思ったのだ。


 強いんだろうけど、爺さんに翻弄されているしなぁ。


 そういう意味では変わらないし。


「なんか、元気ないね」


「まだ、調子悪いの? 」


「まあ、別の意味で……」


 などと俺が苦笑した。


「ねえねえ、何かあったの? 」


 柴垣誠まで来た。


「お姫様抱っこよ」


「尊いよね」


 などとそれじゃない話を香織達がしていた。


 だが、誠は別のものを感じているようだ。


 後で話して見るかと思った。


 情報は必要だし。


 弱者の情報通だから、逆にそういう距離感とか知っているはずだからだ。



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