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第七部 覚 第六章

「まあ、妖と人の革新って言うなら、我々妖としても、それで良いのではとか思わんでもないんですが……」


 間宮さんがぶっちゃけた。


 正直、俺も同意見である。


 なぜ、爺さんがそこまで危険視するのか分かんない。


「いや、言いにくいんだがな。うーん」


 爺さんが初めて困った顔をしていた。


 付き合いを進めているうちに何らかの懸念が出てきたのかもしれない。


「もう、身内みたいなものだし、そういうのにちゃんと懸念は懸念で教えてくれた方が良いと思う。こないだの柴吉の件でも、そういう意味で私達は傷ついたから」


 などと如月彩がきっぱりと言い切った。


 彼女らしい言い方だ。


 如月家は家族なら隠し事は無しでって言う家庭らしい。


 それで随分と俺の家の話を教えてくれなかったと喧嘩したらしい。


 口止めされていたから、済まないと両親には謝られたとか。


 うちの爺さんは謝らないけどな。


「分かった。ぶっちゃけよう。妖の複合化にかかったんだ。妖のハイブリッドを作ると。そのハイブリッドの妖には妖と人間の新しい時代を導くものとして、この国を支配させると」


「は? 」


「え? 」

 

「え? 良くある野望ものじゃない」


「いや、現実にやると言うと、ちょっと違うと思いますが」


 彩の苦笑に間宮さんが突っ込んだ。


 まあ、どちらかと言うと彩の言葉に俺は同意だ。


「つまり、あの人、サトリなだけじゃないんだ」


「それと、本人かどうかも分からん」


「は? 」


「御前は死んだが、妖としては早すぎるんだ。だから……」


「はああああああ?  つまり、中身が御前まであると? 」


 俺がそう突っ込んだから、間宮さんと公安の部下たちが凄い顔をしている。


「わからん。だがな、仕草が同じなんだよ。血の繋がりが多少はハイブリッドであるにしてもだ。精神コントロールの究極だと昔、少し酔っていらっしゃった時に不死と言う事を話していた。考えれるのは……」


「相手の心に入るって事? 」


 俺の言葉に爺さんが困った顔で頷く。


「えええええええ? マジですか? それなら、大変な事ですよ? 何で言わなかったんですか? 妖の王が関係している段階で妖全体の問題じゃないですか」


「あくまで推測だから言えなかったって事だよね」


「そういう事だ」


 爺さんが淡々と話す。


「その複合ってマジなの? 」


「実験してたのは確か。そして、やっと自分の子が産まれたと喜んでいたのも確かだ」


「やっと? 」


 俺が凄く嫌な感じがして聞く。


「まさか、実験で自分の子供達を使ってたって事? 」


「しかも、相当な妖が犠牲になっているとか? 」


「そうじゃないかと思うだけ。関わってた人間と妖は全部消されたし」


「えええええ? 」


「なんで殺されたって分かるんですか? 」


「単純に全員が急所を自分でナイフで滅多刺しして死んでいる」


「……精神コントロールか……」


 うわぁ、エグイ。


 えぐすぎる。


「そ、そんなのと争えと? 」


「すまんな」


「すまんじゃねぇよっ! 」


 真面目に命にかかわってきたので、真顔でキレる。


「いやでも、使命みたいなもんじゃん」


「こんな使命があるか? 」


「いや、修験道系とか結構仏教の仏さまとか神様とか、昔はシビアな修行をしていたから、まれにそういう時代の御方に会うと、その時代の世界観で話すから、すんごい事言われたりするぞ? 所詮、仮の宿だしな、現世なんてって感じで……」


「いや、普通の人間にそういう事言うなよっ! 別に死を賭してもって請願して、何時でも失敗したらって短刀持って修行しているわけじゃないからっ! 」


 爺さんに俺がブチ切れる。


 昔は途中で病気などで修業中に行を失敗したら、自決していたらしいから、その時代の感覚だと、今の信仰の感覚は全然違うらしい。


 その時代の影響で、未だに千日回峰は途中で失敗したら自決する事が決まっていて、短刀を持ってする。


 それはある時代には信仰として普通の感覚なのだ。


 ひょっとして、爺さんのそういう感覚って……まさか……そう言うのを引いてないよな。


 目的の為に人を巻き込むの平気だもの。


「でも、あくまで、それは律蔵さんの想像ですよね。はっきりと確証は無いわけで……。一応、我々公安としても頭には入れておきますが……」


「そうだよ。だから、ぶっちゃけ、神楽耶と会うのを待ってたんだ。彼がな」


「……は? 」


 間宮さんの話に爺さんの異様な返しが入る。


「何で、神楽耶と会うのを待ってたの? 」


 彩も気になったらしくて聞いた。


「この世界に存在する唯一の同種同士だから、お前なら感覚で分かるだろうと思っていた。そして、答えは出た。最悪の予想は間違いない。多分な」


 などと爺さんがしてやったりって感じで笑った。


「って! 待てやっ! どういう事だ? はあああああ? なんで同種なんだ? 俺が? あんな化け物と? 」


 俺が叫ぶ。


「まさか……妖の……複合体? 」


 そう間宮さんが呟くと気絶した。


「ふむ、ちょっと用事が出来た」


 などと爺さんがささっと保健室から出ていく。


「待てっ! 爺さんっ! 説明していけよっ! 」


 俺が叫ぶがそれより早く、爺さんは消えた。


 当分戻ってこないだろう。


 最悪や。


  

どうも、午後五時の時間帯が読まれない時間帯みたいなんで、ベースの時間を変えるかもしれません

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