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第七部 覚 第二章

 そんなわけで、高校に来てみると破壊された校舎が急ピッチで修理されているのと、本当にクレーターみたいに校庭が抉られていて胸が痛い。


 どんな力なんだ? 


 田舎なので高校の面積が広くて、校庭の先がうちの高校の野球場があったのと、その先が山だったのが良かった。


 何かがクレーターからはじけ飛んで、向こうの山の中腹まで破壊したらしい。


 何を飛ばしたんだろう。


「凄い爆発でしょ」


 などと彩が笑った。


「うん……そうだね……」


 呆然として、その破壊の跡を見ていた。


 いや、なんだ、これ?


 クレーターも直径が100メートルはある。


 その影響で校舎が半分になって半壊したらしい。


 真面目に生徒に影響が出なかったのは奇跡に近い。


 というか、あり得るのか? 


 などと悩んでしまう。


 公安が俺の覚醒の直前か直後くらいから避難させたとしか思えない。


 確かに、記憶の断片を見ると、爺さんが逃げてっ叫んで、珍しく彩が躊躇なく逃げたのは見ていたが。


 超強力な戦闘特化型の妖って騒いでたな。


 喧嘩もしたこと無いのに、無茶苦茶やん。


 流石に異様な力に引く。


 母方の祖母が大妖で母も大妖でって言ってたな。


 一体、なんなんだろうか?


 鬼族が俺を推してない事からも鬼ではないし、天狗でも無いはず。


 後は金毛の九尾の狐くらいだろ? 


 ヌエとかだとちょっと弱いか……。


 まさか、ヤマタノオロチ?


 いや、知らんなぁ。


 名前の知られていない妖なんだろうか? 


「どうしたの? 旧校舎だよ? 教室は? 」


 などと呆然と破壊の跡を見ている俺に彩が話す。


 急激な少子化によってクラス数が激減して、古い方の校舎は部室として使っていた。


 流石に子供もそう簡単に増えないだろうしと言う事で、取り壊しの話も出ていたのだが、今回の件でそちらを使って授業できるので、そういう意味では旧校舎が残っていて良かったのだろうか?


「今日は午前中だけだって」


 渡辺香織がそう笑って話してきた。


「掃除と今後のスケジュールの説明があるんだって」


 溝口有希がその横で笑ってた。


 本当に巨乳になっているし。


 そこで香里や有希から聞いた話だと、一昨日前までは事故の調査で、昨日は旧校舎の部室を教室に使える様に掃除した後に全校生徒で机や椅子を運んだらしい。


 それで、今日は教室を使えるように再度掃除するのと、今後の授業のスケジュールのすり合わせらしい。


「思ったより、工事が早くて、意外と一週間くらいで校舎が直りそうなんで、別に休みのままで良かったのではって話を担任が愚痴ってたよ。まあ、それだから、授業は無かったから、彩が心配している学業の遅れは無いよ」


 などと如月彩に話している。


 ああ、やっぱり、俺の入院について、彩も学校を休んでたんだな。

 

 彩らしいと言えば彩らしいのだけど。


 それでも、そこまで心配してくれるとか、ありがたい事だ。


 それで、先生方も教育委員会も来てくれて手伝ってくれたので思いっきり、旧校舎の掃除が早く済んだ。

 

 なんとなく、教育委員会の手伝いで来た人達全員が雰囲気が変なんで気になる。


 俺を見て嬉しそうだし。


 それで箒を持ったまま、ちょっと困った顔をした。


「ああ、多分、そうだよ? 」


 などと俺の顔で察して彩が笑った。


 やっぱり、そういう事か……。


 全部妖なんだ。


 俺の暴走の件は知らないのだろう。


 知ってたら手伝いに来ないだろうし。


 流石、妖の城があるだけはある。

 

 いたるところに妖だらけである。


 その時に、旧校舎の裏に気配を感じた。


「あれ? まだ今後のスケジュールの話があるよ? 」


 そう渡辺香織が話しかけてくるが、多分、今しか会えないと思ってそちらに走る。


 そう、なんとなく分かるようになってきていたのだが、間宮さんがそこに居るのだ。


 マジで俺を避けているらしくて、どうしょうもない。


 彼と会わないと、話が出来ないし。


 なんとしても、こんな爆弾みたいな俺は妖の王にはならない方が良いだろう。


 その気持ちだけでも伝えたいと思っていた。


 それで走ったら、やはり如月彩も走ってついて来た。


「そこの先だよね」


 などといきなり俺をお姫様抱っこすると、二階の窓から校舎裏に飛び降りた。


 ええええええええええええええええええ?

 

 ちょっと力の方が異常では? 


 などと思うが、多分、階段を下に降りていたら、その間に間宮さんが逃げちゃうので、そのままに任せた。


「はあ? 」


 どうやら、こちらの気配を察して、逃げるところだった間宮さんは目の前に窓から飛び降りてくる如月彩にお姫様抱っこされた俺が現れたのでビビっていた。


 それで、ビビっている間に、彩のお姫様抱っこから降りると即座に深く深く頭を下げた。


「すいませんでしたっ! 」


 俺が深々と謝るので、彩がびっくりしていた。


 多分、俺に記憶が残っているし、向こうも逃げようとしていたので、神宝で俺の洗脳はしていないんだろうなと思っていたからだ。


 それで、間宮さんは、いろいろと逡巡していたが、大きなため息をつくと俺を見て笑った。


 とりあえず、許してくれそうだ。



 

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