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第六部 凶(わざわい) 第五章

 散々話し合いはしたが、仕方ないので護衛が付く事で高校に行くことになった。


 流石に、公安が学校教育に口を出すわけにもいかず。


 何より、俺の保護者である律蔵と連絡が取れないので、公安が休めと強制するのもと困っていた。


 彩が保健室で勉強したらと話したので、膠着状態だった話し合いから離脱するために、間宮さんから教育委員会と学校に連絡して頼むことになった。


 あくまで表向きの理由は病気としてでだ。


 教育委員会と学校にも妖の土地なだけにいろいろルートがあるらしくて、それは了承を得た。

 

 その時は早く学校に行かないとって思っていたけど、情報が漏れないようにするとは言うけど、妖達には妖の王の候補に公安がすでについているとバレバレになるなぁとちょっと後で後悔した。


 そうして、保健室で自主勉強みたいな形で勉強をする事になった。


 流石にいつまでも休む方が問題だと思ったし。


 間宮さんは公安の天狗さんと一緒に俺に張り付いてくれている。


 とりあえず、しれっと一緒に勉強している彩が有難いけど、良いのかなと……。


「しかし、学校にまで暗殺で来ますかね? 」


「いや、本当なら学校だから、まずいんですよ。あの<(わざわい)>は人間の身体に入れますからね。妖の中にも入れますが、我々には入れないし、柴吉さんも妖としては強者ですから入れない。危険だとしたら如月彩さんだけですから入ってきそうな時はわかりますし」


「え? 私が囮なの? 」


 横で彩が口を尖らせる。


「いや、侵入経路が分かりやすいってだけですよ。守りますよ。我が君の家族みたいなものですし」


 などと間宮さんが必死だ。


 なんとなく、彩に入ってくるのを狙っていたのかもしれない。


「そうか、家族かぁ」


 などと彩が少し嬉しそうだ。


 まあ、家族みたいなもんだもんな。

 

 俺の両親異界だし。


 さらに、婆さんはともかく、爺さんはタチが悪すぎる。


 いずれ、間宮さん達も思い知るだろうけど。


 あれは呪術師と言うよりも悪魔に近い。


 変に間宮さん達は爺さんを信頼しているみたいだけど、後で大やけどをするに違いない。


 などと思っていたら、休み時間になった途端に保健室のドアがノックされて柴垣誠が入って来た。


「は? 何で? 」


 間宮さんの衝撃を受けた顔が凄い。


「ああ、情報が漏れ漏れですよ。神楽耶さんが公安に守られているって話から、ここで勉強する事になった話まで」


「いや、極秘と言う事になっているはずだけどぉおぉ」


「大騒ぎですよ。妖界隈。政府が我らの王の有力候補を取り込んだとか。真面目に」


「いや、俺が頼んだんだ。そうじゃないと命がやばいと思って」


「うちで守ったのに」


「いや、そっちの方が良かったのかなぁ」


 などと俺がぼやく。


 その騒ぎ方だとまずいなぁ。

 

 そうか、やはり政府が取り込んだと見るんだ。


「柴垣家でも、そう見ているんですか? 保護しているだけなんですが、本人の希望で……」


「そりゃ、現状で一番の注目株ですし。普通に狙ってた派閥はそう騒ぎますよ。天狗さんは派閥にあまり参加しないから、実質的に公安が派閥と見なされてたりしてますし」


「やっぱり、やばいのかな。でもさ。ちょっと、爺さんの考える流れに乗ったままってのが癪だったからさ」


「はははは、確かに、律蔵さんは厄介だよね」


「は? 」


 誠の言葉に間宮さんが驚いた顔をした。

 

 いや、普通に付き合っているとすぐにそう言うのは分かるんだけどな。


「さては、爺さん。間宮さんの前では猫をかぶっているのか? 」


「ああ、うちの曽祖父とかは、あれには気をつけろって言ってたから。うちは前も言ったけど、弱小の妖だから、そう言うのは敏感なんだ。律蔵さんとは協力しつつも深く入り込むなって言われてたんだけど、まさか、妖の王の候補が孫に産まれるとはって驚いてたよ、曽祖父は。ところで、それよりも神楽耶さんは鬼の<(わざわい)>に狙われているんだって? 」


 などと俺に聞いてくる。


「ああ、派閥で知ったの? 」


「うん、厄介なのに目をつけられたね。あれは危険だよ」


「そんなヤバい? 」


「うん。正直、そういう意味では神楽耶さんが公安に保護を頼んだのは正解だと思う。多分、うちの派閥が推す立場になっても、結局公安とかに頼んだと思う」


「そうなんだ」


「ある意味、<ひとつ>と戦うようなもんだしね。だけど、多分、抜け目がない律蔵さんが手は打っていると思うけど……」


「可能性があるなぁ」


 などと俺が呻く。


 あれはそういう爺さんである。


「えええええ? 律蔵さんが? 」


 などと間宮さんが動揺していた。


 周りの公安の天狗さんも動揺していたので、皆、騙されているのだろうなと思った。





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