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第六部 凶(わざわい) 第三章

今日も二回投稿します

 家で休んでいて気配を感じる。

 

 まるでSPに守られた政治家みたいだ。


 かぐや姫様がこないだ俺の身体を使ってくれたことで、俺も同じようにそういう妖の気配に敏感になった。


 天狗さんって強いんだなと感心するくらい、彼らの気配から強さを感じられて、しかも、政府の公安の天狗さん達は家を取り囲むように守ってくれている。


 その安心感たるや、たいしたものである。


 そうしたら、間宮さんが心配そうに、聞いてきた。


「律蔵さんは、まだ帰ってこられないのですか? 」


 凄く心配そうに話しかけてくる。


 俺はいつもの通り、早く起きて、予習していた。


 如月彩もちょうど自分でしている朝練を終えて、こちらに顔を出す。


 朝のコーヒーを飲むためである。


 祖父の律蔵がコーヒーにこだわるので、良い豆があり、それを全自動のコーヒーマシンで挽いてドリップまでしてくれる20万近い専用のマシンがある。


 祖父の律蔵が居る時は祖父が機械を使わずに、自ら豆を挽いてコーヒーを入れてくれるのだが、いないときは仕方ない。


 そんな事にお金を使うより、家の修理をしたらとか思うのだが、コーヒーがとにかく好きで拘っているようだ。


 それで全自動マシンでコーヒーを入れて、彩と間宮さんにも出した。

 

「外の公安の天狗さん達にも……」


 などと俺が勧めたが、間宮さんは首を振るばかり。


「昨日に言ってた話だけど、やばい鬼と言ってたけど、どうしたの? 」


「いや、どうもヤバさの桁が違ったらしくて、元々鎌倉様を暗殺したので有名だったのですが……」


「鎌倉様? 」


「源頼朝? は? そんなのあるの? 」


 彩は鎌倉様に反応しなかったが、俺は反応した。


 あれって怪死とか言われているけど、やはり暗殺なんだ。


 馬に乗るのがあれほど上手い源頼朝が馬上でって話はおかしいと聞いていたけど。


「ええ、それで有名になりました。鬼族はあまり暗殺については過度に騒ぎませんので、あり得る事だと思いますが、より詳しい妖の情報を集めていてる者から情報を受けまして……。どうもルーズベルト大統領の死にも関係しているとか」


「オカルトにある、あれは祈祷の力とか言う話ではないですかね? 」


「どうやら、違ったみたいで……」


 実は意外と日本の祈祷は優秀らしくて、中国に仏教の勉強で行った阿闍梨が、雨不足に困っていた皇帝に我が国には法力が残ってまして雨乞いの祈祷と言うものががございますとつい言ってしまったとか。


 まあ、東方の蛮族と侮られないためと、自分達の法力がそれだけ強いと言いたかったのだろうけど、それならばやってみて欲しいと言われて雨乞いの祈祷をしたとか。


 本人は今後の仏教の経典の書写などに優遇してもらえるかもと言う気持ちで祈祷をしたのだろうけど、どこで祈祷しても雨を降らせてしまうと言う離れ業をやってしまって、結果として皇帝が手離さなくなっちゃって、とうとう日本に戻ってこれなかったと言う、ある意味気の毒な終わり方の話ではあるが……。


 ただ、天狗さんなら、その辺の事は知っているはずなので、まあ話すだけ意味がないのだろうけど、間宮さんの顔は深刻なままだった。


「噂は聞いた事がある。<ひとつ>殿とは違った意味で凄かったとも聞く」


 柴吉も同意した。


「なら、そんな話とか知られているのでは? 」


「妖の世界と疎遠だったらしい。二代目の妖の王<婆娑羅(ばさら)>様には忠誠を尽くしていて、三代目の妖の王様には暗殺と言うこと自体を時代遅れと否定されたとか……。妖の、武に関わるものは、大体そういう自分の能力に誇りを持っている。だから、それを否定されたので逆恨みするようになったとかも聞いた事がある」


「それなら、何も神楽耶には二代目の妖の王<婆娑羅(ばさら)>様がついているのだから、安心なのでは? 」


「それが複雑で……。どうも、我が君の噂を聞いて、あの武で名だたる二代目の妖の王<婆娑羅(ばさら)>様が、そのような女装した軟弱な漢を候補として推しているなどとブチ切れていたとも聞きまして……」


「いや、かぐや姫様が依り代にしていらっしゃるからとか言うのでは駄目なの? 」


 彩がそう胸を張る。


 何しろ、富士山を御神体ともされた高位の神がついておられるのだからと。


「いやぁ、鬼の方達は自分自身の武力を誇るから、我が君には神頼みみたいなイメージもありまして……」


「ええ? 二代目の妖の王<婆娑羅(ばさら)>様の推しがあるのに? 」


「だから、その辺りが複雑で、崇拝していた方の心変わりみたいに取っているのではないかと……」


「ううむ、その情報は確実なんですか? 」


「心配した<赤錆(あかさび)>さんが教えてくれたのですが……」


「は? 」


「あの人も良い妖なんだ……」


 彩がそう感心した。


「で、結論となると? どういう話ですか? 」


「当分、高校を休みませんか? 」


 などと間宮さんが話す。

  

 それで俺が悩んだ。


 推薦で大学行くつもりなんで、あまり休みが多いのは困るなと……。 

 

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