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第十三部 二人目の 第十一章

「俺が何で戦うのよ! 」


『戦うようになっている。あらゆる未来視で見た』


「いやいや、俺はただの高校一年生だが」


『いや、妖の王の四代目だ』


「まだなってません」


『律蔵やあの息子の子にしては心が決まらん奴だな』


「自分のケツ拭きくらい自分でしろよ! 」


『仕方あるまい。わたしは単なるコピーだし』


「諦めないさい。最初から貴方は御前を葬る為に産まれてきたのだから」


 などとかぐや姫様が驚愕の話をする。


「ほああ? 」


「だから、わしもそれを補佐するために入っておる」


 <婆娑羅(ばさら)>様までそう言う。


「そんな話を今頃っ! 」


「だから、お前は前世で御前を倒した宿敵なのだ」


「前世で記憶が無いなら、赤の他人と一緒ですよ? 」


「向こうの世界ではそうなっているのだ」


「記憶が無いと言う事は人格も別と言う事ですよ」


「お前、本当に屁理屈ばかりだな」


「勝手に宿命とか言われる方が嫌だ」


 などと延々と俺がかぐや姫様と<婆娑羅(ばさら)>様と言い合う。


「でも、私は行くよ。尋常の戦いだから。戦士の約束だもの」


 などと言い合いをしていたら、彩がそう言っちゃった。


「ええ? 」


「行くよ。約束だから……」


「ああああ……。くそ……」


 かぐや姫様と<婆娑羅(ばさら)>が手を出して、ビッと彩に親指を立てた。


 そんな現代を真似ないでもと……。


 彩が行くなら俺も行かざるを得ない。


「仕方ない……」


「彩ちゃんには弱いのよね」


「家族だもの」


 陽菜さんの突っ込みにしょぼくれて答える。


「あーあーあー、戦うのか」


 途方に暮れる。


「男だろ? 」


「恰好が女だもん。喧嘩も全部彩がしてくれたし……」


 <婆娑羅(ばさら)>様の言葉に俺がへなへなと答えた。


「ああ、そう言えば、子供の時から、全部、喧嘩は彩がしてたわ」

 

 もう一人の幼馴染の香織まで言い切った。


「戦えるのかな? 」


『大丈夫じゃ。ここと言うときは法が起動するように律蔵がしている』


「なんだ、それぇぇぇ! 」


 単なる兵器じゃん。


「……私も行きます」


「は? 」


「柴垣派の神楽耶さんの派閥のトップですから。柴垣家の当代は私です」


「いや、父さんは三代目俵藤太の戦いを見たいだけでしょうがっ! 」


 今度は大輔さんと誠が言い合いを始めた。


『未来視で見る限りは地獄のようになるぞ? 』


「仕方ありません」


「ふざけんなぁあぁ! 柴垣派は弱い妖ばかりでしょうが! 」


「俺だけでも行くよ……」


「三代目俵藤太の戦いが見たいだけでしょうがっ! 」


「だって、二代目俵藤太もファン一号だし、三代目俵藤太のファン会もファン一号になるように雪ネズミさんと話し合いが……」


「ほら! やっぱりそうじゃん! 」


「え? 私のファンクラブが出来るんだ」


 などと彩が嬉しそうだし。

 

 後で説得しようかと思ってたのに。


「当たり前でしょ。<(わざわい)>とも戦える三代目俵藤太が弱いわけがない。私は二代目俵藤太を超えると見てますよ」


 大輔さんの力強い言葉で、むふーって感じで彩の鼻息が荒くなる。


 あーあーあーあー。


「まあ、私も渡辺家として頑張るし? 」


 などと香織まで血がたぎるみたいな話をした。


『とにかく、命がけになるから、参加するものは考えてしてくれ。鬼の連中を誘ってくれても構わん』


 などとオッドアイの少年の中の老人が断言した。


 そんなとこで戦うとか聞いてないし。


 でも、行くことになりそうだ。


 最悪だ。


「で、お話は終わり? 」


『ん、ああ、そうだが? 』


 オッドアイの少年がオッドアイの少年の中の老人に話しかけたらしい。


「じゃあ、お願いがあるんだけど……」


 そう、オッドアイの少年が目をキラキラさせて言ってくる。


「俺に? 」


 一体、他にこれ以上、何があると言うのだろうか。


 ちょっと、それで身構える。


「僕と友達になって欲しいんだけど……」


「は? 」


 あまりの発言に俺達がびっくりした。


 いや、年齢は40近いのでは? 


『顔に出ておるが、心が出来てからはお前らと年は変わらないぞ。正直、わしはこの子の願いを叶えてやりたい。わしが消えれば後は一人だしな。わしの潜伏の為に学校にも行かせてやれなんだ。だから、出来たら、この子の友達になってやって欲しい』


「いいよ」


「勿論」


 そう彩と香織が微笑んだ。


 そうしたら、オッドアイの少年が目をくりくりさせて喜んだ。


 凄くうれしそうだ。


 多分、いろんな苦労があったんだろうなと思う。


「それなら、俺も……」


 そう言って俺が手を差し出した。


「これが……握手なんだ……」


 そうしたら、両手で俺の手を掴んで、涙ぐんでいた。


 握手もした事無いんだ。


「それで名前は? 俺は神楽耶」


「私は彩」


「私は香織」


「私は誠です」


「えええと」


『獅童じゃ』


 名前も忘れているとか……。


「ちょっと、それなら落ち着いたら、私の方でちゃんと暮らせるようにするから」


 そう陽菜さんが約束してくれた。


 本当は学校休んだのにいけないのだが、この子があまりに可愛そうなので、少しソフトクリームとか買って皆で遊んだ。


 獅童は物凄く嬉しそうに笑うので、黒と青のオッドアイとも相まって凄く印象的だった。

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