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第二部 ミケ 第四章

「ええええと、ぶっちゃけ、ミケはその武闘派のもう一人の妖の王の候補の配下の妖と戦う事が出来るの? 」


 如月彩が心配そうに聞いた。


「無理ですにゃん」


「即答かよ」


「いや、マジで1000年から2000年越えの年を経たほんまもんの妖が揃ってますのですにゃん」


「早めに断ろうか? 」


「いやいや、せっかく覚醒したのに? しかも、妖の王の御霊が話をしているのじゃ、真面目に本命では無いかと思うのだが……」


 などと柴吉が真顔で話す。


「いや、だとすると逆に危ないって事じゃないの? その武闘派が集まっている妖の王候補もいるんだし……」


「……」


 柴吉が黙ってしまう。


 様子からすると真面目に深刻なんではないかと思う。


「と言う事で妖の王になられた場合は、社の件をお願いするにゃん」


 ミケがそう言って、しれっと出て行こうとするのを、凄いスピードで彩が捕まえた。


「な、ななななな、何をするにゃん? 」


「社を建てるなら、側近でも付き人でもするって言ったじゃん! 社を建ててあげるから、あんたも神楽耶を守りなさい! 」


「それは妖の王になられたらで……」


「私の叔父が大工さんなのよ。神社とか寺の直しもやっているから、私が頼んであげるから……」


「わしは自分の命の方が大切にゃん」


「妖でしょうが? 」


「妖だって大妖とやりあったら死ぬにゃん」


「社に祭られるって、それなりの妖でしょうが? 」


「武闘派の妖にネズミを噛み噛みして突っ込んでもネズミの毒で死なないにゃん」


「まあ、妖がウィルスとか菌で死ぬことないもんな」


 必死のミケに柴吉がため息をついた。


「じゃあ、早く断らないと」


 俺が慌てて、スマホに入れた間宮柊(まみやしゅう)さんと鷹司紗和(たかつかささわ)さんの電話番号を探す。


「いやいや、せっかく目覚めたのに……。妖の王の御霊まで会ったのに……。その妖の王の御霊に会うまでが覚醒してから時間がかかるのに、神楽耶殿は一気にそこまで言ったのに」


「裏を返したら、それだけ向こうの妖一派にとって脅威って事じゃん」


「いや、それはそうじゃが……」


 柴吉が必死だ。


 俺の電話しているスマホを必死に噛んで、取り上げる。


「いやいや、ちょっとぉぉぉ! 急がないとやばいでしょうが……。すでに公安と宮内庁の人間が挨拶に来たって事は真面目に向こうに伝わっているって事でしょうが? 」


 俺も必死だ。


 こういう災難はとっとと逃げるに限る。


 俺はひ弱だし、俺を守って親友で幼馴染の如月彩にまで迷惑をかけてしまう。


「私がかけるわ」


 あっさり、如月彩が自分のスマホでかけだした。


「ああああああああああああああ! 」


 柴吉が慌てて邪魔しようとするが、彩は流石である。


 古流の柔術もやっているせいか、あっさりと柴吉を抑え込んで、間宮柊(まみやしゅう)さんに連絡しているようだ。


 あっさりと電話からアナウンスが来た。


「ただいま電話に出る事が出来ません。しばらく経ってからおかけください」


 コール無しのアナウンスだった。


 圏外? 


 それとも電源を切っている? 


 着信拒否は考えられないから、お休みモードとか? 


 でも、まだ昼前だよね。


 などと頭を廻らせる。


 それで彩が今度は鷹司紗和(たかつかささわ)さんにかけた。


「ただいま電話に出る事が出来ません。しばらく経ってからおかけください」


 こちらもコール無しのアナウンスだ。


「まだ、移動中なのかな? でも留守電とか入れておくよね。普通……」


 俺が不安そうに聞いた。


「い、移動中なのでは? 」


 などとちらちらとこちらを見ながら柴吉が話す。


 でも、何だか、態度がおかしい。


「多分、妖の王の件を断られたらいけないから、電話に出ないで済むように、電話を切っているか、着信拒否しているにゃん」


「あっ、馬鹿っ! 」


 ミケがズバズバ言うから、柴吉が慌てていた。


「着信拒否だと? 自分達でお願いに来てながらっ! 」


 彩がブチ切れる。


「多分、前回に先に覚醒した妖の王の候補が断った件で問題になっているにゃん。殺すのはルール上は駄目だけど、腕を折るとかして脅すのは許されているにゃん。脅しまでで辞めた場合は、本人の資格不適格って事になるからにゃん」


「資格不適格? 」


「腕を折る程度の脅し程度で心が折れるのなら、妖の王にはなれないって見なされるにゃん! 殺しに関しては絶対のルールがあるから無いにゃん」


 などとミケが話す。


「じゃあ、脅されそうになったら、すぐに謝って継ぐの止めよう。簡単だ」


「そうだね。そうしょうか? 」


「はああああ? それはちょっとぉぉぉ? 」


 俺と彩があっさり納得したので、柴吉が動揺しまくっていた。


「動揺する事は無いじゃん」


「神楽耶殿の母君と祖母上に殺される……」


 柴吉が動揺しまくって頭を抱えていた。


 柴犬の姿なのに器用だなと。



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