第六話 原宿エキセントリックボーイズ
見守っていた春田が近づいてきた。
「健さん、おめでとうございます!これでまっさらです」
「あぁ」
「僕は副業となりますが、これからも健さんをサポートします。ハンター協会にギルド申請して本格的に活動しましょう」
「そうだな。どうせ動くなら早い方がいい」
「名前どうしますか?」
「そうだな・・・地上では原宿のビンテージを漁ることが多いから・・・」
ふとBGMが流れた。
いつも車で流しているあの曲だ。
「原宿エキセントリックボーイズ」
「え、ダサい」
「うるせー」
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「では近々、次の地上に行くスケジュールを考えましょう!」
「あぁ。また連絡するー」
ガチャ
「俺も帰ろう」
エンジン音と共に車が出発。
エキセントリック〜♩エキセントリック〜♩エキセントリック少年ボ〜イ♩
今日も〜
とにかく借金が返済できてよかった。
ドブネズミみたいなこの数年の俺とは一旦おさらば。
「あれ、そういえばこっち来てからラブを見なかったな」
地上も危険だがそれと同じくらい地下も色々と危険だからな。
17歳ってこともあるし無事を願う。
ガレージに車を停めて思った。
「このガレージに車を入れるのは久々だな」
ハンターを辞めて車が必要なくなった俺は、酒代のために売ってしまっていたからだ。
春田からはこの車を当たり前のようにもらってきちゃったけどよかったんだろうか。
まぁ、あいつは大富豪だからいっか。
「ふぁぁぁぁあ」
あくびも出るわ。この3日間車で寝泊まりだったしな。疲れた。
荷物だけ今日のうちに下ろしておくか。
後部座席のドアを開けた。
「・・・おい」
「すピーーーーー」
ラブが後部座席で寝てる。
おい。どうすんだよ。
「起きろ」
「あと7時間・・・」
「しっかり寝ようとすんな」
「お願いします!お願いします!なんでもしますからもうちょい寝かせてください」
後部座席でゴロゴロ暴れ出した。
「起きろ!!」
「はっ」
ラブはおもむろに自分の横を確認し、そして服を来ていることを確認してホッと胸に手を当てた。
「泥酔して気づいたら男の家のベッドで寝てたみたいな反応やめてー!」
「あの・・・どうされました?」
「ふざけんな、なんで俺の車に乗ってんだよ」
「初めは様子を見てたんですけど、話が長そうなので後部座席で寝てました」
「家帰れ」
「家出中でし」
舌噛んだよ、この子
イタタという顔をしている。
「いや、帰れ」
「一生のお願い今使う!!」
お前の一生のお願い、何回使えるのかわかんねーな?
しかも、なんで当然のようにそれを使えると思ってるの?
どっかで約束したっけ?
「本当にダメ?」
「ダメだ」
「おっぱい揉みます?」
「・・・」
原宿エキセントリックボーイズ
〜異世界転生が流行ってるけど俺たちからしたらもはや地上が異世界なんだっつーの〜
伝説のビンテージハンター・スカベンジャー復活編 終
第一章ありがとうございました!
本当にダメ?
と
おっぱい揉む?
ってなんかイントネーション似てませんか?