第四話 親を車乗せた時にアニソン流れると気まずくなる
タブレットを出し、目的地を表示する。
「こっちだ!女!」
「ラブです!」
「は?」
「愛って名前なのでラブって呼んでください!」
よかった。一瞬キラキラネームかと思った。
本名は古風でよろしい。
「とりあえず来い!」
目的の場所だ。もうフルで使えて1時間半。
全力を出す。
「ラブ!お前瓦礫をどかすの手伝ってくれ!」
「は、はい!」
無言で作業する。時間との戦いだ。
ガラガラ
崩れ落ちた瓦礫の先に地下の部屋が現れた。
「ここだ!探していた場所!」
ハンガーラックが大量にある。天井が崩れていなかったおかげでかなり見やすい。
本当なら全部持って行きたいが春田との約束のブツを優先する。
塵埃を被っているのとかなりの時間放置されていることもあり、デニムがあってもLEVI'S 506XX E T-BACKかを判断するのは正直難しい。
凄い。ここはお宝の山だ。同じLEVI'Sの別の型のビンテージデニムジャケットがたくさんある。
これは期待できるぞ。
「!?」
フロアをウロウロしていたラブが近寄ってきた。
「どしたんすか?」
「あった」
「良かったっすね」
「推定10億円のレジェンダリー」
「えええええええええ」
ピピピピピピピ
まずい!リミットだ。詳しい確認は後だ。
「ラブ、すまん。リミットの時間だ!お前まだやっていくのか?」
「うーん。ウチ何が価値あるとかわかんないんで、一緒に帰ります!」
「わかった。ならまたミュータントに襲われるかもしれん。車に乗っていけ!」
ここへはまた来よう。入り口は瓦礫で隠した。
バタン
漁ったビンテージをトランクに詰めて車に乗り込む。ラブは助手席に座った。
ガスマスクを脱ぐ。
「ふぅ〜」
ちらりと助手席を見るとラブもガスマスクを脱いだ。
金髪センター分けでメイクバッチリのギャルゥーーー!
ってか若いな。
「どうかしたんすか?」
「何歳?」
「17歳っす」
やべー!おっぱい揉んでたら犯罪だったわ!あぶねー!
戻ってチクられたら逮捕されてたわーーー!
ラブがこっちをじーっと見てる。
「え、どしたの?」
「いや、おっさんだなって!」
「うっさいわ」
エンジンを点ける。
BGM
エキセントリック〜♩エキセントリック〜♩エキセントリック少年ボ〜イ♩
今日も〜
「なんすか。この歌」
「あー。気にすんな」