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異世界学園への召喚

夕暮れの教室には、薄暗い陽光が差し込んでいた。桐谷翔太きりたに しょうたは窓際の席に座り、ため息をつきながら窓の外を見つめていた。彼の心は、この現実から逃れるようにどこか遠くへ飛んでいた。高校生活も残りわずか、何の目標もなく日々を過ごすだけの日常に、翔太は飽き飽きしていた。


突然、教室全体が異様な光に包まれた。次の瞬間、翔太は眩い光に目を閉じ、足元が消えるような感覚に襲われた。そして、気がつくと見知らぬ場所に立っていた。


「ここは…どこだ?」


目の前には、広大な草原が広がり、遠くには高くそびえる山々が見える。見慣れない景色に戸惑う翔太の隣には、同じく驚きと混乱に満ちた表情を浮かべるクラスメイトたちがいた。


「翔太、これは一体どういうことだ?」

彼の親友である佐藤健太さとう けんたが言葉を詰まらせながら尋ねる。


「俺にもわからないよ、健太…。でも、とにかく落ち着こう。」


すると、突然、天から声が響いた。


「選ばれし者たちよ、汝らは今より異世界『アスラディア』に召喚された。我らは君たちにこの世界を救う使命を託す。」


翔太と健太は目を見合わせた。何かの冗談だと思いたかったが、その声は真剣であり、現実味を帯びていた。


「この世界を救う?俺たちが?どうやって…?」


天の声は続けた。「汝らは学園『バルガルド』に入学し、戦士としての力を学び、鍛え、そして仲間と共に成長せよ。」


突然、草原の中から大きな門が現れ、その向こうには巨大な城のような建物が見えた。それが「バルガルド」と呼ばれる学園であることを、翔太たちは直感的に理解した。


「健太、行こう。何が起きるか分からないけど、ここで立ち止まってても仕方ない。」


翔太は決意を固め、仲間たちと共に門へと歩き出した。だが、彼の心には一抹の不安があった。何の力も持たない自分が、この異世界で生き抜くことができるのか。


彼らが学園の門をくぐると、そこには数多くの生徒たちが剣や槍を手に訓練をしている光景が広がっていた。彼らは明らかに戦士としての訓練を受けており、翔太たちとは異なるオーラを放っていた。


「俺たちが本当に、あんな連中と戦っていけるのか…」


不安を感じる健太に対し、翔太は力強く頷いた。「今は何も持っていなくても、これから手に入れるんだ。この異世界で、俺たちは成長していくしかない。」


その時、目の前に一人の少女が現れた。彼女は長い銀髪を揺らし、冷たい目で翔太たちを見つめた。


「あなたたちが新入生?名前は?」


「桐谷翔太だ。君は?」


少女は一瞬驚いたように目を見開いたが、すぐに冷静な表情に戻った。「私はリリス・ファルコン。この学園の生徒会長よ。あなたたちはこれから厳しい試練に挑むことになる。覚悟はできている?」


「覚悟はできている。俺たちはこの世界で生き抜くために、強くなるしかないんだ。」


リリスは微かに笑みを浮かべ、手を差し出した。「その意気よ。ようこそ、バルガルドへ。私があなたたちを導くわ。」


こうして、桐谷翔太と仲間たちの異世界での戦いと成長の物語が始まった。まだ何の力も持たない彼らだが、この世界で強さと友情を築き上げ、数々の試練を乗り越えていくことになるだろう。

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