2/17
灯障子
灯障子
灯障子のその向こう
対照的な二つの影が
立ち上る火が合わさるように
火炎旋風の螺旋のように
二つ交わり重なり合って
熔け堕ちるように崩れゆく
障子に映るその影は
蝋燭の火が揺らめくように
時に激しく立ち上り
時に緩やかにしなだれて
映るその様は蝋燭なれど
映る障子ごと燃やし尽くす様な
焔のような激情は
惹かれて燃え尽きる羽虫にも似て
そして不意に灯火は陰り
残るは小さな衣擦れの音
吹き抜ける風が窓辺の鈴を
ちりん、と鳴らして
熱と共に消え失せた