16/17
明日を夢見る
いつだって人は「昨日」に別れを告げる
通り過ぎていく記憶
想いは留まることもなく
過ぎ去りし日々は
一夜の夢のようで
朝霧と共に陽の光の向こう側へ
愛しさと共にこの人となら
そう望んだ時もあった
祝福の影に隠れた憂いは
運命のいたずらを悔やむからなの?
傷つけたのに望まれる
その事に微かな喜びを感じても
今この手に触れているのは
わたしを傷つけ
それでもこの手を取った人
望まれるよりも望むことを
傷つけるよりも傷つけられることを
選んだことを悔いてはいない
いつか景色がセピアの色に染まったその時
「もしも」の夢を見るかもしれなくても
今は隣のその人に向けて笑顔を浮かべる
通り過ぎていく言葉
想いは留めおくこともなく
これから歩み行く日々は
描かれただけの夢のようで
それでも
朝陽と共に陽の光の向こう側へ
そして、
いつだって人は新しい「明日」を迎え入れる




