08.変化
木の加護の固有スキルの”鑑定”に全属性とサイコメトリーを重ねていって、”解析・鑑定”という新しいギミックを作る情熱。エルが得た力は自動でオレも付くわけで。
さすが砂糖を生み出す為に昏倒したオレの相棒だ、武力に使えば国家を揺るがしたんだろうが。
やつの言い分は「小麦粉の違いはデンプンの量で強力粉と薄力粉などに分類されるから、パーセンテージを解析したかった」という犯行自供。
なので、”品種改良・命名”も毎度の込みで、小麦粉は薄力粉、中力粉、強力粉。セモリナ粉、デュラム小麦粉、というパスタ特化した粉も出揃い。
大麦、ライ麦、オーツ麦と、こちらも爆速で普及に走っている元守護霊。
何がそこまでさせるのか、転生しても尚ほとばしるフランス愛を問いただしてやりたい。
「なるほどなぁ」
「色や大きさが違うだけじゃないのね」
「お嬢ちゃん先生と同じもの作ってみても、こういうところで味が違うのか」
「俺は見た目も結構違うぞ」
オレを取り巻く大人たちから、同時に声があがる。
うーん、オレはけっこう料理で砂糖使い分けるからな……。
火加減とかでも、仕上がりが変わるし。
ただ、前世みたいにひねって火力が変えられるわけじゃないもんな。
喉が乾いて、”空間収納”からハーブシロップと水とコップを出すと、大きな生徒サイドから無言の圧が来た。
「えーと、ハイビスカスとローズヒップのシロップで、水や炭酸水で割ったり……家だとエルが酒で割ってるやつだけど、どうぞ」
ハイビスカスもローズヒップも、ビタミンCが豊富だし、女性が喜ぶかなと夏に試作したんだよな。
ミネラルの為にきび砂糖で作ったら味がぼやけちゃって、上白糖を多めにしたらいい感じになったけど、作りすぎてたんだよね。いつものことだけど。
おやつ時間の飲み物にしようかと思ったけど、けっこうな感じでなくなりそうな今。
再び、どよめきながら手渡しリレーされていくオレのシロップよ、さらば。
いろんなハーブで試したんだけど、成功例だからいいか。
何が大変だったって、ラベンダーが最大の失敗だ。
煮込んで居る間も、周囲がラベンダー色に染まりそうなほど、強烈な匂い。
味も少しエグみがあって、完成したあとも、エルのウイスキー炭酸割りがもっとも減らせたかもしれない。
今は硬い魔物肉を柔らかくする為に下処理で漬けてるくらいで、それでも匂いは料理によっては邪魔になるので厄介である。
「でも、お味噌汁を飲むようになったら肌がきれいになったって言われるようになったわ」
「俺もお嬢ちゃん先生に、米を炊く前に鍋で一時間寝かせたらパサついて硬かった米がふっくらしたな」
うんうん、大豆イソフラボン効果だな。発酵食品は健康にいいんだって、完璧前世の知ったかぶりだけど。
そして給水もね、するとしないとじゃお米の炊き方が全く違うんだ。
しかし、人数がどんどん増えるせいで確認してなかったけど、けっこう皆の喜びポイントが基礎じゃないか?
「えっとー、塩ひとつまみ、と塩少々の違いって伝えたっけ?」
オレの疑問は、全員のかしげた首で答えになっている。
マジかー。まあ、オレも直感で脳内情報レシピを改ざんしてるから、人のこといえんけど!
前世の「さしすせそ」もここじゃ使えないし、砂糖、塩、お酢、醤油、味噌の入れる順番だって分かりにくいもんな。
「ハイビスカスとローズヒップのシロップ」
・ハイビスカスハーブ25グラム、ローズヒップのハーブ25グラム。
鍋で200ミリリットルの水で煮出す。
10分ほど濃く煮出して、花を取り出す。(私はコーヒーフィルターで濾しました)
きび砂糖80グラム、上白糖60グラム(好みによって味を見ながら足してください)
レモンは小さじ2(色が変わります)
煮沸消毒した瓶に、シロップを入れて保存してください。
炭酸水で割って飲んだり、シフォンケーキなど。
ビタミンC効果など。




