07.変化
「先生ー」
「お嬢ちゃん先生~」
「えーっと、とりあえず順番に解決するね?」
じゃあ、と隣の店から空の箱が転がってきて、ご丁寧にクッションまで提供された。
そして奥さんの告知が来ると皆さんメモ帳を持参するのも恒例行事。
ナリスさんは、鍛冶場に入って何やら作業を始めてしまい、オレは沢山の大人の生徒さんに囲まれてしまう。
なんだか変な宗教でも始まったように見えるな……。
「砂糖の、そもそもの違いなんだけど……」
何しろ痛恨の事件を起こしてまで、この世界にもたらしたのはオレなのだ。
即席の椅子に座って、謎の円陣の中で砂糖の講義をするのも、生み出した責任だな……。
グラニュー糖の特徴。上白糖より水分の保有量が少ないため、サクサクとした焼き菓子などに向いている。味に癖がない。
上白糖の特徴。製造の最後に転化糖が加わっているので濃厚でしっとり感がある。ケーキなどに適していて、汎用性は高い。
三温糖の特徴。糖液を何度も煮詰めてカラメル化してあるので、独特の香ばしさと茶色。煮物やテリヤキなどのコクが出る。
きび砂糖の特徴。三温糖は濾過された糖液だが、濾過の途中で止めているので三温糖よりコクと雑味がある。キビ糖はミネラルなどが高いが、カロリーは上白糖よりやや高い。
デーツ糖の特徴。なつめやしの砂糖。黒糖のような甘みと深みがあり、食物繊維やマグネシウム、カルシウムなど栄養素も高い。淡白な肉にかける煮込みソースなどに使いやすい。
ざらめの特徴。基本は三温糖と同じだが結晶が大きく、純度が高いのでまろやかになる。
粉砂糖の特徴。グラニュー糖をパウダーにしたもの、固まりやすい。
カソナードの特徴。サトウキビ百パーセントのブラウンシュガー。精製されていない粗糖。バニラのような香りで加熱すると均一に溶ける性質があるので、キャラメリゼなどに適している。
そう、なんだか増えているのだ。
フランスにこだわる相棒に、もっと自分からやればと言った結果、エルは”種子生成”でサトウキビを育てて、砂糖を更に増やしやがった。
クリームブリュレのキャラメリゼはこれじゃないと嫌だとか言って、オレはまだそんなものまで作っていないのに先回りがすぎる。
そしてそんなフランスに極振りしていくエルヴェシウス、強力粉、中力粉、薄力粉なども生み出しているんだな……。
ざらめ・三温糖は和食向きで、角煮や肉じゃがなどはざらめとはちみつでコクを出しています。
バルサミコソースなどにはデーツと上白糖を比率を変えたり、中華などもソースや味によって変えていると味の変化が付きます。
ただし、きび砂糖系は上白糖よりわずかにカロリーが高いです。




